北方領土で合宿「波最高」 サーフィンのロシア五輪候補

モスクワ=石橋亮介
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 夏の東京五輪への出場を目指すサーフィンのロシア代表チームが、北方領土国後島で合宿を行っていることがわかった。代表選手の合宿地としては異例の選択で、政府が進める北方領土の観光開発を後押しする狙いもあるとみられる。

 現地はロシアのサーファーの間では波が良いことで知られるが、現地メディアによると代表合宿は温暖な海外で行うのが通例で、北方領土では初めて。ロシア国内でも合宿の例はない。日程は3月31日から2週間の予定で、五輪代表候補の選手6人が参加しているという。

 ロシアサーフィン連盟はフェイスブックで、雪景色の島影を背景に波に乗る練習風景の写真を相次ぎ投稿。選手の一人は「こんなに最高の波があるなんて予想もしなかった」と絶賛した。気温、水温とも1桁台の厳しい環境だが、連盟幹部は現地メディアに対し、島の波には「サーフィンを発展させる大きな可能性がある」と評価し、代表チームの拠点の一つとする考えを示した。

 ただ、国後島で練習した選手が東京五輪に出場できる可能性は低いとみられる。国営RT通信は3日、世界ランキングの50位以内にロシア選手は1人もいないとし、五輪出場は「理論的には可能だが、現実的ではない」と伝えた。

 ロシアが実効支配する北方領土では、ホテルや温泉施設などが建てられ、大規模なリゾート開発の計画も持ち上がっている。代表メンバーはフェイスブック国後島の観光地を紹介し「ロシアを旅し、新しい発見をしてください」と呼びかけるなど、広告塔の役割もあるようだ。(モスクワ=石橋亮介)