「選手に負担」「企業が行動を」 米にボイコット慎重論

ニューヨーク=中井大助
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 米国務省のプライス報道官は6日、来年2月の北京冬季五輪について、中国の人権問題への懸念を示した上で、ボイコットの可能性を同盟国との間で協議したいとする意向を示した。政治家らから「ボイコットすべきだ」という意見が強まっている米国だが、五輪に政治を過度に持ち込むべきではないとして慎重な意見もある。

 特に、ソ連(当時)のアフガン侵攻に抗議して、カーター大統領(同)が1980年のモスクワ夏季五輪のボイコットを決めたことには、「選手に負担をかけ、効果は少なかった」と批判が根強い。

 2002年のソルトレークシティー冬季五輪の組織委員会会長を務めたロムニー上院議員(共和党)は3月、ニューヨーク・タイムズへの寄稿で、中国を批判しつつ、「選手が中国で競争することを禁じることは、安易ながらも間違った回答だ」と述べた。「数百人の若い米国の選手に、我々の批判の負担を背負わせるのは不公平だ」とも主張し、モスクワ五輪のボイコットがソ連の行動を改善しなかったとして「効果もあまり期待できない」とした。

 ロムニー氏はその代わりに「経済的、外交的なボイコットをすべきだ」と提案している。選手の家族を除いて米国から北京へは応援に行かず、米政府も外交団ではなく、中国政府に批判的な活動家や人種的なマイノリティーを送るべきだとしている。

 選手ではなく、スポンサー企業が行動すべきだという声もある。

 ワシントン・ポストは4月1日付の社説で「権威主義的な国家の礼賛に協力し、豊かになることを企業は拒否すべきだ」と主張した。コカ・コーラやビザなどの主要スポンサーこそが中国にメッセージを送ることができるとして、「なぜ、ジェノサイド(集団殺害)を行っている国家で、五輪のスポンサーをしているのかと問いかけるべきだ」と訴えている。(ニューヨーク=中井大助