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温暖化で花粉症が増えた? 35年間花粉を集めて分析

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伊藤隆太郎
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 つらい花粉症の原因となる植物の花粉の数が、気候変動にともなって増えているとする報告が、国内外の専門家や研究機関から相次いでいる。花粉症はスギやヒノキ、ブタクサなどの花粉を吸い込むなどして、くしゃみや鼻水、目の痛みなどを引き起こすアレルギー症状だ。これから地球温暖化が進むと、花粉症に悩む人がますます増えてしまうのだろうか。

 国立病院機構福岡病院(福岡市南区)のアレルギー科医師・岸川禮子さんは、国内の20カ所以上の病院や行政機関の研究者らと協力して、空中を舞う花粉を採集する調査を1986年から続けてきた。

 ワセリンを塗ったガラスを24時間放置し、落ちてくる花粉を付着させ、1平方センチあたりの花粉数を調べる。顕微鏡で観察しながら、花粉の種類ごとに数え分ける地道な作業だ。

 この調査で、岸川さんらが気候変動との結びつきが見えてきたと考えるのが、スギとヒノキの花粉だ。岸川さんは最近まとめた論文で「7~8月の気象条件と翌年の花粉捕集数はよく相関し、気候変動にともない花粉捕集数は著しい年次変動を反復しながら増加している」と分析している。

 特に典型的だった二つの時期がある。一つは1990年代の中ごろ。93年の冷夏の翌94年は猛暑となり、95年は花粉数が大きく増えた。もう一つは2000年代の中ごろで、03年が冷夏、04年が猛暑で、05年に花粉数が増大した。

 岸川さんは言う。「日本の花粉症患者は増え続けており、花粉数が増加していることは予想されていたが、スギとヒノキで確かめられ、気候変動と関連している可能性も見えてきた」

 全国の耳鼻咽喉(いんこう)科の医師による疫学調査によれば、花粉症有病率は1998年は19・6%だったが、2008年は29・8%に増え、19年には42・5%になった。この結果、花粉症は現在、すべてのアレルギー性鼻炎のなかで最大の原因になっている。

今後も増えるかについては異論も

 こうした気候変動と花粉数の…

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