日系の新車、好調だったミャンマーが 各社は見直し検討

神山純一
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 ミャンマーのクーデターによる混乱が、日系の自動車大手の現地生産や販売に影響を与えている。シェア首位のスズキは工場を増設して9月に稼働させる予定だったが、変更の検討を始めた。トヨタ自動車も初の工場を建設し終えたが、稼働時期を見通せずにいる。

 スズキは、最大都市ヤンゴン郊外のティラワ経済特区に乗用車工場があり、昨年3月から120億円かけて増設工事を進めていた。今年9月から、生産能力を4倍の年4万台に拡大する計画だった。

 だが、工場は2月に操業を停止。増設工事も止まっており、増設後の稼働時期は「変更になる可能性がある」(広報)。従業員は安全確保のため自宅待機とし、日本人社員も一部を除いて帰国させたという。販売店も全て閉鎖している。

 日本貿易振興機構(JETRO)によると、ミャンマーの2019年の新車販売台数は2万1916台。関係者によると、スズキが約6割、トヨタが2割弱のシェアを握っており、日産自動車マツダ三菱自動車も含めた日系メーカーで9割ほどを占めている。

 従来は中古車が自動車市場の中心だったが、19年は新車販売が前年比25・1%増えるなど、経済成長に伴って新車が伸びている。そのためトヨタ自動車も、本来なら今年2月から、年産2500台のピックアップ工場を稼働させる計画だった。ただ、工場は完成したものの稼働時期は「検討中」(広報)といい、販売店も閉鎖している。

 三菱自も昨年夏、新工場の建設検討を表明していたが、先行きは不透明になっている。一方、日産自動車マレーシアの自動車会社と組んで17年から現地生産しているが、今のところ操業を続けているという。(神山純一)