「犬夜叉」手がける作曲家 導いたのは「ゴジラ」の師匠

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聞き手・前田朱莉亜
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 高橋留美子さん原作の漫画「犬夜叉(いぬやしゃ)」は、2000年にアニメ化され、海外でも根強い人気を誇っています。魅力の一つは、壮大な世界観を表現する劇伴(サントラ)。数多くの人気アニメの劇伴を手がける作曲家の和田薫さん(58)の作品です。「オーケストラ曲なのに、どこか和風」。そんな独特の魅力を持つ楽曲が生み出されたきっかけは、「ゴジラ」のテーマ曲を作ったあの作曲家との出会いでした。

フォーク小僧、クラシックに「目覚める」

――作曲家というと幼い頃から英才教育を受けた人のイメージです。和田さんはいかがでしたか。

 僕はそうではなくて、小学校は歌謡曲小僧、中学校はフォーク小僧だった。ちょうど「陽水・拓郎・かぐや姫」時代、どっぷり70年代フォークにつかってまして。高校で軽音楽部に入ろうと思って、音の鳴る方に行ったら吹奏楽部だった。

 男子校だったので、先輩に囲まれて、そのまま入ったという感じなんです。吹奏楽部ではホルンを担当しました。ホルンはオーケストラでも目立つ楽器で、マーラーなりベートーベンなり、名曲がたくさんあった。そこでクラシックに目覚めてしまったんです。

拡大する写真・図版コンサートのリハーサルに臨む作曲家の和田薫さん(中央)=2020年12月20日、東京都渋谷区、池田良撮影

――作曲はいつから。

 高校で吹奏楽部に入ったけど、男子校で指導する先生もおらず、部員たち、学生たちだけで(部活動を)運営していた。ある日、指揮者のところにふと行って、指揮台にあるスコア(楽譜)をのぞいたときに、「自分でも書けそうだな」と魔が差してしまって。曲を作ってみたんです。

 そして(部員の)みんながパート譜を書いてくれて、演奏してみたんですけど、自分のイメージとはかけはなれたひどい曲だった。

 そこであきらめれば良かったんですけど、「これはたぶん、勉強していないからだ」と思いました。そこから地元の楽器屋に行って、楽理書やスコアを買って自分で勉強しました。次に作曲した曲は意外と良い感じだった。勉強すれば人はできるもんだなと。そこからはまっていってしまった。

――独学している中で、運命的な出会いがあった。

 高校2年生のとき、腕試しに…

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