起因の飲食の場所を巡り見解に違い 奈良県と奈良市

新型コロナウイルス

平田瑛美、上田真美 清水謙司
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 新型コロナウイルス緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」(重点措置)について、奈良県奈良市で見解の違いが生じている。県は県内の飲食店などでの感染拡大が顕著でなく、適用に慎重な姿勢を見せる。一方、奈良市は市内の飲食店での飲食に起因していると主張。仲川げん市長は荒井正吾知事宛てに重点措置適用を求める要望書を6日に提出している。

 県は7日、新規感染者が81人と発表。1日に発表される感染者数が、5日から3日連続で過去最多を更新した。直近7日間の新規感染者は、その前の1週間から約2倍に増え、感染が急速に進んでいる。

 奈良市は6日時点で、人口10万人あたりの直近7日間の新規感染者数が34・37人となり、政府の分科会がステージ4(感染爆発)の目安とする「25人以上」を上回ったと発表。仲川市長は7日、「(市内の飲食店での感染が)大半ではないが、見過ごせない程度にはある」と述べ、営業時間の短縮の要請や協力金を出せるように重点措置の適用を求めた。

 荒井知事は7日の定例記者会見で、「大阪由来の感染傾向が強まっていて、飲食店の時短でこの傾向を抑えられるわけではないと思う」とし、現時点では重点措置の適用を求めない方針を示した。

 県内の感染拡大について荒井知事は、大阪での1次感染がさらに増えている▽若者の感染が増えている▽変異株の感染力の高さの3点を推察される特徴として挙げた。「若者が感染して奈良に帰り、家族や(職場などの)仲間にうつしてクラスターとなるのが典型的とみる。(奈良の)飲食を制限するのはちょっと違い、大阪での飲食を防止するのが一番では」と指摘。県は8日に対策本部会議を開く予定で、荒井知事は「何が原因かを分析して絶つことが役目。根拠を明確にして注意を呼びかけたい」と語った。

 また、県内約300の飲食店などでつくる県飲食生活衛生同業組合は7日、荒井知事宛てに県内で飲食店の時短要請の発令を求める要望書を提出した。(平田瑛美、上田真美)

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 奈良県奈良市は7日、新たに10歳未満~80代の81人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日に発表する新規感染者数では、6日発表の78人を上回り、過去最多を3日連続で更新した。県内の感染者は延べ4113人。

 内訳は奈良市23人▽天理市12人▽香芝市10人▽橿原市8人▽桜井市5人▽川西町4人▽田原本町、広陵町生駒市各3人▽明日香村2人▽五條市、河合町、大和高田市王寺町、上牧町、三郷町平群町大和郡山市各1人。

 県はクラスター(感染者集団)が発生した県長寿・福祉人材確保対策課と同じフロアで、新たに別の課の職員7人の感染が分かったと発表した。同じフロアの感染者は計27人になった。(平田瑛美)

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 新型コロナウイルス感染者の宿泊療養施設について、奈良県の荒井知事は7日の定例記者会見で、4月中に新たに1施設を確保できるめどが立ったと明らかにした。すべての感染者に入院・入所してもらう方式は「堅持したい」とした。

 7日午前9時時点で県内の病床使用率は62%、宿泊施設使用率は70%にのぼった。変異株の感染者は退院時にPCR検査で2度の陰性を確認する必要があり、今後、病床・施設の逼迫(ひっぱく)が続くことが懸念される。入院病床については、すでに感染者を受け入れている医療機関に増床を働きかけているという。(平田瑛美)

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 高齢者を対象に始まる新型コロナウイルスのワクチンの集団接種に向け、奈良県橿原市は7日、かしはら万葉ホールで模擬訓練をした。職員や看護師ら合わせて約100人が参加し、実際の流れを確かめた。

 参加者たちは、受け付けから接種後の待機までの各スペースでそれぞれの役割をこなした。接種後、待機していた人が「腕が痛いんです」と訴える役回りも演じ、看護師が急きょ対応するシーンもあった。市のワクチン接種対策室の加護剛室長は「予診や経過観察のところで人だまりができた。たまる理由を考えて解決したい」。これらの課題を整理して、安全に接種できる環境づくりに生かす。

 市は19日から85歳以上を対象に集団接種の予約受け付けを始める。約2千人に対応できるという。同日午前8時半から電話(050・3733・2149)やネットで受け付ける。ここで予約できた人は5月10~22日に接種できるという。(清水謙司)

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