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 米国務省は7日、トランプ政権時代に完全停止していた国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出金を再開する方針を表明した。最大の支援国を失ったUNRWAは資金難に陥っていたが、米政権の交代によって再び支援を受けられる見通しとなった。

 国務省によると、米国はUNRWAに1億5千万ドルを拠出するほか、パレスチナの経済開発支援に7500万ドル、米国際開発局(USAID)を通じた平和構築事業に1千万ドルを出す方針だ。支援はパレスチナ難民の子どもたちの教育のほか、新型コロナウイルス対策などに使われるという。

 ブリンケン国務長官は7日、「パレスチナ人への支援は米国の利益にかない、イスラエルとパレスチナの治安協力や安定にも資する」と声明を出した。

 トランプ政権はパレスチナへの支援停止や、エルサレムへの大使館移転などイスラエル寄りの姿勢が顕著だった。しかしバイデン政権はより中立に近い立場に転換し、今回の支援再開につながった。

 トランプ政権は、UNRWAの難民認定の仕組みにより、支援対象者が子孫も含めて500万人超に膨らんでいる点などを問題視。2018年8月に拠出金の完全停止を表明していた。米国は17年には拠出金総額の約3割にあたる3億6500万ドルを拠出していたため、拠出停止は難民支援の現場に大きな影響を及ぼしていた。(ワシントン=高野遼)