今では、必要な時間だったと思える。
横浜DeNAベイスターズの山崎康晃は1月、三浦大輔監督から直接、春季キャンプのファーム(2軍)スタートを告げられた。
プロ6年目の昨季は0勝3敗、防御率5・68。プロ入り後最悪の成績に終わっていた。
新しいものを作るイメージで
入団1年目の2015年から抑えの大役を担い続け、18、19年にはセ・リーグのセーブ王に輝いた守護神。直前のシーズンが不調だったとはいえ、プロ初のファームスタートは予想していなかった。
「なんでだろうと思うことは、当然ありました。外国人選手の来日が遅れている中、(ファームのキャンプ地)嘉手納で調整する意味とは何なのか、と」
もやもやした気持ちは、仁志敏久ファーム監督の一言で軽くなった。
「きっかけをつかんで調子を戻すというより、今から新しいものを作るイメージでやってみたら?」
山崎はこれまで、150キロに迫る速球に、130キロ台で鋭く沈むツーシームを織り交ぜて試合を締めくくってきた。
だが、昨季の苦い経験をへて、思った。「今まで以上に質を高めないと、生き残れない世界。相手打者に嫌がられる投手であるためには、これが必要だった」
進化を求め、たどり着いた「新球種」
新しい球種の取得に挑んだ。
ゼロからの挑戦ではない…