知的な女性を否定する人ほど「数学は男性的」のバイアス

小川詩織
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 大学で数学を学ぶ女性が少ないのは、「女性は知的である方がよい」という考えに否定的な社会風土があるのかもしれない――。そんな研究結果を、東京大などのチームが専門誌に発表した。こうしたバイアスを持つ人ほど、数学や物理を「男性的」とみなす傾向があり、女子生徒の進路選択に影響を与えている可能性があるという。

 文部科学省の2019年度学校基本調査によると、大学1年生で数学を専攻する女性の比率は19%、物理学では14%にとどまる。

 研究チームは日本の20~69歳の男女1177人と、英国の1082人に、どういった要因が数学や物理学を男性的ととらえるイメージにつながるのかを、インターネットでアンケートした。

 その結果、日本では「女性は知的であるほうがよい」と思わない人ほど、数学を男性的なものと考える傾向があった。一方、英国では、「この分野を専攻すると異性からモテなくなる」と言われた経験などが、数学と物理学を男性的なものととらえる傾向につながった。

 チーム代表の横山広美・東京大教授は「学術にジェンダーイメージが強いこと自体が問題だが、理系に女性が少ないことは個人の選択の問題ではなく、社会で作られたイメージによって抑制されていることだと考えられる。日本は世界的にみても女子生徒の数学の成績がとてもよい。親や先生は、ぜひ彼女たちの進路を応援してほしい」と話す。

 論文は3月末、科学技術社会論の学術誌のオンライン版(https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/09636625211002375別ウインドウで開きます)に掲載された。小川詩織

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