マンボウが疫病退散? 再々展示に「いいね」1万6千件

西岡矩毅
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 和歌山市立博物館が所蔵する一枚の木版画ツイッターで話題を呼んでいる。描かれているのは魚の「マンボウ」。先月下旬まで展示していたが、終わった後に利用者から「見たい」との要望が寄せられ、4日から再展示が始まった。5月5日まで。

 博物館で展示されているのは、江戸後期ごろから明治にかけて作られたとみられる木版画。A4判ほどの大きさで、左上には「満方」、右上には「疫病除ケ」と記されている。博物館の学芸員で江戸時代の史学を専門にする佐藤顕さんは、マンボウと疫病よけの関係については不明としているが、「当時、マンボウは珍しい生き物で伝説的な存在。江戸後期はコレラが流行していたので、わらにもすがる思いだったのでは」と推測する。

 木版画は、市内の収集家から寄贈されたコレクションの中から、数年前に発見。作者と描かれた場所は不明という。佐藤さんによると、江戸時代はマンボウのことを一般的に「浮木(うきき)」などと呼んでいたが、和歌山では「満方」と呼んでいたことから、「和歌山で描かれたものかもしれない」と話す。

 展示は今回で3回目。新型コロナウイルスが流行していた昨年8月に、コロナ収束を願って展示。いったん落ち着いた9月に展示をやめたが、再び拡大した12月上旬に再展示した。緊急事態宣言が解除されたころの今年3月21日に展示を終え、収蔵庫に戻した。

 その後、来館した医師から「マンボウの写真を撮って病院に飾りたい」と言われ、東京からは電話で「展示していますか」などと問い合わせが数件あったという。

 「今も昔も、疫病がはやると頼れるものに頼りたくなるのかもしれない」と佐藤さん。4月2日に再開を伝えるツイートをすると1万6千件以上の「いいね」がついた。「新型コロナ対策の『まん延防止等重点措置』があったから、これだけの反響につながったのだと思う。コロナの収束を願うばかり」と話した。

 開館時間は午前9時~午後5時。月曜と、祝日の翌日は休館(5月3日は開館)。入館料は大人100円、高校生以下と和歌山市在住の65歳以上は無料。問い合わせは同館(073・423・0003)。(西岡矩毅)