原告「和解条項の文言が成果」 日本郵便の待遇格差訴訟

三沢敦
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 長崎市に住む日本郵便(東京)の契約社員4人が正社員との待遇の格差是正を求めた訴訟(長崎地裁)は、同社が解決金計131万円を支払うことで和解した。8日、県庁で記者会見した原告らは「すべての契約社員が納得できる待遇改善を」と訴えた。

 「私たちが強く求めてきた文言が和解条項に盛り込まれた。大きな成果だと思う」

 会見で原告の原田芳博さん(59)が強調したのは、日本郵便が「期間雇用社員の待遇改善に真摯(しんし)に努めることを表明する」とした一文のことだ。これが決め手となって3月30日付で和解にこぎ着けた。

 長崎での訴訟は、全国7地裁で契約社員ら計154人が起こした集団訴訟の一つ。和解は初めてだった。

 日本郵便の待遇格差を巡っては、先行する別の訴訟で最高裁が昨年10月、扶養手当や有給の病気休暇などを認めないのは「不合理な格差」と判断。長崎地裁でもこの判断に沿って和解協議が進められてきた。こだわったのが「文言」の挿入だった。

 「和解しても解決金が支払われるのは原告だけ。それでは意味が無い。私たちが裁判に踏み切った理由は、全国で働く20万の仲間の待遇改善のためだからです」と原田さんは語る。

 正社員との格差に苦しむ仲間の姿をたくさん見てきた。婚約者の両親から「正社員でなければ結婚を認めない」と言われ、仕方なく職場を去る若い契約社員もいた。「正社員と同じ仕事をしているのに賃金は安い。若い人たちの将来を考えると、これはあんまりじゃないか。そういう憤りが提訴の背景にある」と原田さんは話す。

 4人を支援した郵政ユニオン長崎中郵支部によると、契約社員の間でも「期間雇用(有期雇用)」と「無期雇用」では待遇に開きがあるという。無期雇用の場合、夏期・冬期休暇や扶養手当の一部が支給されるが、有期雇用には認められていない。有期から無期への転換には5年の勤続が必要で「その間に多くの契約社員がやめていくのが実態」という。

 原告4人は現在、無期雇用社員だが「最も厳しい労働条件にある期間雇用社員の待遇改善こそが急務」と同支部。「真の同一労働同一賃金を、会社は一日も早く実現してほしい」と原田さんは力を込めた。(三沢敦)