水の中で泳ぐ金魚の群れ、実は… 作品300点がずらり

米田悠一郎
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 タライや升の中、円を描いて泳ぐ金魚の群れ。澄んだ水に見えるのは樹脂、立体的な金魚はアクリル絵の具で描いた「絵画」だ。

 長崎市の県美術館で開催中の現代美術家・深堀隆介さん(48)の展覧会「金魚鉢、地球鉢」(同館など主催)。家族連れらでにぎわい、開幕から約3週間で来場者が2万人に達した。18日まで。

 深堀さんは、器の中に透明な樹脂を流し込んでは、アクリル絵の具で金魚の一部を描き、これを何層も重ねることで立体感を出す独自の技法を開発し、作品を作ってきた。利用する器は、酒升やタンスの引き出しなど様々。2011年の東日本大震災後には、津波で亡くなった子どもが使っていたバケツや上靴の中に金魚を泳がせた。

 展覧会では、この技法で作った金魚や、金魚すくいの縁日を再現した作品など約300点を展示。3月13日に会場で講演した深堀さんは「作品を通じ、人間も金魚と同じく、水や地球に生かされていることに気づいてほしい」と話した。

 12日休館。入場料は大学生以上1100円(土日は100円増し)、小中高生500円(同)。問い合わせは県美術館(095・833・2110)へ。(米田悠一郎)