台湾脱線事故、政治問題に 改革の手本は日本の旧国鉄?

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台北=石田耕一郎
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 台湾東部の花蓮県で50人が亡くなった台湾鉄道(台鉄)の列車脱線事故から9日で1週間になる。当局の調査で列車が線路上のトラックと衝突するまでの経緯が明らかになる一方、世論は台鉄の安全管理のあり方も問題視。蔡英文(ツァイインウェン)総統が台鉄の機構改革に言及するなど、政治問題化している。(台北=石田耕一郎)

 台湾の習慣で犠牲者の初七日にあたる8日、台湾鉄道の全列車が事故発生時刻の午前9時28分に警笛を鳴らし、追悼した。花蓮に向かうため台北駅にいた主婦(58)は「今後の改革の内容に注目している。利便性と安全性を両立させて欲しい」と語った。台北近郊の板橋駅にいた牧師の男性(43)は「痛ましい事故だ」と声を落とした。

 事故は2日、台鉄が線路への落石などを防止するために発注した造成工事現場からトラックが線路に転落して起きた。行政の運輸安全調査委員会は、トラックに搭載されたカメラの記録などを入手。運転していた建設作業員の男が直前にトラックを線路脇の草むらで脱輪させた後、近くのクレーン車に乗り換えてトラックの移動を試みて失敗。サイドブレーキが緩かったため、未舗装の道路を走らせてしまい、線路に転落させたとの見方を強めている。

 大手紙「リンゴ日報」は5日、難を逃れた乗客が脱出後に現場近くで撮った作業員の男の写真を掲載。トラックの転落現場近くに立ち、線路を見下ろす姿が写っていた。台湾メディアは検察や消防への取材を元に、男が現場にいながら事故を通報しなかったとも批判している。

 男は勾留前の台湾メディアの…

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