落とし物、前年より3割減 コロナ禍の外出自粛が影響か

白見はる菜
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 昨年1年間で京都府警に届けられた落とし物が、前年より約3割減って過去5年間で最も少なかったことが、府警のまとめでわかった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、外出自粛ムードが広がり、観光客も減ったことが要因とみられる。

 会計課によると、昨年府内で届けられた落とし物は44万213件で、点数では56万5590点。最多だった前年の60万5203件から27・3%減った。さらに、昨年持ち主に戻った落とし物は5万8415件だった。現金の落とし物は計約4億8千万円。計約3億6千万円が持ち主に返された。

 落とし物の保管期間は3カ月。期間内に持ち主が判明せず、拾った人も引き取らなかった場合は売却され、府の収入になる。ただし、身分証明書など個人情報を含むものは廃棄処分される。昨年は現金と物品売却益を合わせ、約7300万円が府に入った。

 府警では2007年から、ホームページで落とし物の情報を公開している。早ければ警察署に届けられた翌日以降、「拾われた日」か「落とした物」で絞り込み、探すことができる。かばんや財布、封筒といった落とし物が目立つが、中には「入れ歯」「土器・石器」「埋蔵文化財」の受理も記載されている。

 一方で、昨年府警が受け付けた遺失届は9万1733件。届けられた落とし物の数の2割以下だ。同課の担当者は「遺失届より拾得物の件数が圧倒的に多い。意外と届けられているので、利用施設への問い合わせだけでなく、遺失届も確実に出してほしい」と呼びかけている。(白見はる菜)

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 「落とし物」の中には、犬や猫といった動物も少なくない。届けられた動物は、飼い主が現れるまで警察署やボランティアが3カ月間預かる。

 昨年は841匹の動物が警察署に届けられ、564匹が飼い主の元へ返った。残る3割の中には、保健所に引き渡される犬や猫も少なからずいるが、警察官や拾得者として届けた人が引き取るケースがほとんどだという。

 宇治署交通課の松本匡史(ただし)巡査長(41)の実家で飼われているシバイヌもそのうちの1匹だ。

 シバイヌは昨年7月、赤い首輪がついたまま迷い犬として署に届けられた。2週間ほど署で面倒を見ている間、夜にクンクンと鳴くのを見て、松本さんは「このままだと保健所に行くのかな」と心配になった。木津川市の実家に住む両親と妹に相談し、飼い主が見つかるまで預かると返事を受けて連れ帰った。飼い主は現れず、そのまま引き取ることに。1歳ほどとみられ、新たに「善(ぜん)」と名付けた。人なつっこくやんちゃな性格だという。

 同署では、できるだけ飼い主の元に戻れるように、迷子とみられる動物が届けられるたび、ポスターを作って署や交番に貼っている。だが、中には捨てられたと見られる動物もいる。松本さんは「命ある動物なので、責任を持って飼って欲しい」と話している。