あれも古墳? 積み上げられた廃土の山 撤去に法令の壁

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河野光汰
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 歴史スポットとして人気が高い大阪府八尾市の国指定史跡・心合寺山(しおんじやま)古墳のそばに、古墳と見まがうような「山」が出現して7年になる。建設残土やごみが積み上げられたものとみられる。周辺住民は撤去を望むが、実現は困難という。立ちはだかる「壁」とは。

 八尾市大竹5丁目の住宅地にある心合寺山古墳。墳丘長160メートルと、府東部では最大規模の前方後円墳だ。5世紀前半の豪族の墓といわれる。円筒埴輪(えんとうはにわ)が並べられるなど、築造当時の姿に復元されている墳丘の頂部に立つと、すぐ北側にある「山」が目に入る。

 高さは5メートル以上あり、一面にびっしりと草が生い茂っている。あちこちに古タイヤやプラスチック製のごみ箱が見え、砕石や金属片のようなものも混じっているようだ。広さは約680平方メートルで、小学校の体育館ぐらいある。

 「見学者から『あれも古墳ですか』と尋ねられた。何とかならないか」。古墳の管理に関わる男性はため息をつく。

 古墳周辺は公園化され、市の学習施設もあって歴史ファンらの人気が高い。漫画家の浜谷みおさんの作品「やまとは恋のまほろば」に登場する古墳のモデルになった。

 そんな古墳のそばに「山」ができ始めたのは、2014年ごろのことだったという。

 土地所有者の男性(92)が、建設残土リサイクルなどを手がける八尾市の会社に貸した。すると「土やガラ(建設現場で出たコンクリートや金属のくず)を載せたトラックが頻繁に来るようになった」と近くの自営業男性(67)。

 所有者男性の代理人弁護士によると、賃借契約は口頭で、会社側は男性に一定の賃料を払っていた。周辺の住民から砂ぼこりや悪臭の苦情も相次ぎ、所有者は会社側に連絡したがなしのつぶてだった。

 搬入は16年ごろにやんだが、近くの農家の男性(70)によると、「山」の一部が崩れ、隣接地に流れ込んだこともあった。「最近は豪雨被害も多い。雨で土砂やごみが住宅街にあふれないか心配だ」

 土地所有権の登記は昨年5月、借り主だった会社の関係者名義に変更された。所有者男性は今年1月、自身の親族と共謀して不正に土地所有権を移したなどとして、会社関係者を有印私文書偽造・同行使容疑などで大阪府警に告訴した。府警が裏付けを進めている。

 朝日新聞は会社側に土などの搬入の経緯や撤去の意思について文書で質問したが回答はなかった。代理人弁護士は「お答えできない」とした。

法的拘束力は? 行政指導も限界

 八尾市は今年2月、職員が現場の「山」を視察し、近隣住民らに話を聞いた。

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