昭和史人気を生んだ改元 読者が求める日本型組織の実体

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聞き手・稲垣直人
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 1月に逝去した半藤一利さん。昭和史の語り部が最後の連載をもったのが「歴史街道」(PHP研究所)だった。多くの有名作家が寄稿した歴史雑誌で、創刊には経営の神様、松下幸之助さんも関わった。最近の歴史雑誌ブームにおごることなく、幅広い読者層をつかむために毎号、工夫を重ねている大山耕介編集長(51)にその舞台裏を聞きました。

                    

 ――半藤さんの最後の連載原稿を掲載されたそうですね。

 「『「名言」で読み解く太平洋戦争』というタイトルで昨年8月号から始まり、12月号まで寄稿していただきました。『アジアは一つ』『武士道と言うは死ぬ事と見付けたり』『バスに乗り遅れるな』……。こうした良くも悪くも戦時中の日本で流布したスローガンや軍人らの言葉を選び、その背景を解説したものです」

 ――半藤さん自身の申し出だったとか。

 「『あの戦争のことを自分の孫の世代に分かりやすく伝えたい。これが自分の最後の仕事だ』と思いを語っておられました。そして、手書きの原稿を実の孫に託された。その孫は、弊社で編集の仕事をしています。連載は5月に『戦争というもの』というタイトルで出版する予定です」

拡大する写真・図版半藤一利さん=2017年4月

 ――半藤さん以外にも数多くの作家や研究者が寄稿していますね。

 「2009年のNHKの大河ドラマ天地人』の原作者でもあった歴史小説家の火坂雅志さんも、忘れられないお一人です。20年以上、何度も寄稿していただきました。ちょうど弊社の文芸誌に、石田三成の軍師・島左近を主人公にした長編を連載中だった6年前に58歳の若さで急逝されてしまったんです」

 ――連載は未完で終わったのですか。

 「ええ。左近の人生のクライマックスは、関ケ原の合戦です。東軍の徳川方を散々に苦しめた左近の活躍を書くにあたり、現地へ取材に行く1週間前に入院され、亡くなられました。作品は未完でしたが、弊誌に以前、関ケ原での左近について書いて頂いたことがあったので、それを加えて『左近』として発刊し、PHP文芸文庫に収録されています。若くして急逝された小説家では誉田龍一さんもいます。もっと原稿を書いていただきたかったのに、残念でなりません」

 ――織田信長を2度裏切ったとされる松永久秀を描いた小説「じんかん」が直木賞候補になった今村翔吾さんも連載中ですね。

 「『戦国武将×四十七都道府県』と題して毎号、全都道府県から1カ所を選び、その土地にゆかりのある武将を取り上げる読み切り小説です。今村さんの発案で、どの都道府県を取り上げるかは毎回、抽選で決めています。けっこうチャレンジングな企画です」

後半では、「昭和史」が人気を集める理由や、雑誌名の由来になったある構想、最近増えている漫画やアニメとのコラボ企画についても語ります。

「昭和史」人気の理由はどこに

 ――日本史のなかで、読者に人気があるのはどの時代ですか。

 「テッパンとも言えるのが…

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