湧きあがる「敬意」 男性国会議員が妊婦ジャケット生活

中田絢子
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 妊娠にまつわる困難の一端を体感するため、自民党青年局が男性議員5人に、重さ約7キロの「妊婦ジャケット」を着用して24時間過ごしてもらう試みを行った。うち4人が9日の同局定例会議で感想を報告し、「寄り添える社会をもっと追求しなくてはいけない」などと、今後の政策立案に生かすことを誓った。

 体験したのは、青年局の小倉将信(39)、鈴木憲和(39)、藤原崇(37)の3衆院議員と、熊本、神奈川両県の自民県議2人の計5人。8日昼から24時間、ほぼ妊婦ジャケットを着用し、仕事や日常生活を過ごした。鈴木氏は8日夜、約10時間着用した感想を自身のフェイスブックで報告。「妻の姿を見てはいましたが、全く理解不足だった」と反省し、「生命を育むことのプレッシャーや、ホルモンバランスの変動による精神的影響などを想像すると、『敬意』の気持ちが湧き上がります」ともつづった。

 小倉、鈴木両衆院議員は9日昼、東京都千代田区の党本部で開かれた会議に「妊婦ジャケット」姿で出席した。着用したまま電車通勤をした小倉氏は、「立っていると腰が痛くなり、歩くと足が重くなる。休める場所が色々なところにあったほうがいい」と話した。鈴木氏も「妊婦に優しい街は障害がある人にとっても優しい」。さらに「当事者のことを考えるきっかけが今の社会に多くあるわけではないとも感じた」とも話した。

 今回の取り組みは、青年局の鈴木貴子衆院議員(35)が発案した。鈴木氏は「さまざまな環境づくりが立ち遅れている要因の一つとして、国会議員に当事者が少ないことも指摘されている」とし、「今回の体験による気づきを、より良い社会づくりに生かしていく」と語った。中田絢子

拡大する写真・図版約7・3キロの「妊婦ジャケット」を着用し、「1泊2日」を過ごした自民党衆院議員の小倉将信氏(39、右から2人目)と鈴木憲和氏(39、同3人目)=2021年4月9日、東京都千代田区

拡大する写真・図版重さ約7・3キロの「妊婦ジャケット」を着用して電車に乗る小倉将信衆院議員(39)。地元・東京都町田市から急行に乗ったが背中が痛くなり、比較的空いている各駅停車に乗り換えたという=小倉氏が青年局定例会議で紹介した写真から

拡大する写真・図版「妊婦姿」で買い物をした体験を語る鈴木憲和衆院議員(39、左)=2021年4月9日、東京都千代田区