孤独死「私もあり得る」 復興住宅で一人暮らしの高齢者

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伊藤秀樹 井岡諒、藤原慎一
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 熊本県は9日、2016年の熊本地震で被災し、災害公営住宅(復興住宅)で誰にもみとられずに亡くなった人が新たに1人確認されたと発表した。県内12市町村に整備された復興住宅で、こうした「孤独死」が確認されたのは昨年4月に公表された50代女性に次ぎ2人目。復興住宅に一人で暮らす人たちにとって「孤独死」は切実な問題となっている。

 県は、復興住宅で一人暮らしをしていて住宅内で亡くなっているのが発見された例を「孤独死」として公表している。県によると、今回確認されたのは70代の男性。発見日時や住所、死因などは「遺族の意向」を理由に公表していない。

 県内の復興住宅は18年7月に入居が始まり、昨年3月までに12市町村で計68団地1715戸が完成した。今年3月末時点で1657世帯が入居しており、うち半数超の51%(837世帯)が高齢者世帯。全体の33%(548世帯)が一人暮らしの高齢者だ。

 県は、市町村など関係機関と連携しながら、見守りや相談、住民間の交流を図る取り組みの推進など切れ目のない支援を引き続き行っていくとしている。

 熊本地震における仮設住宅では19年8月までに、31人が「孤独死」していたことが確認されている。(伊藤秀樹)

コロナ禍で減る見回り、孤立リスクに

 新型コロナウイルスの影響で地域との交流機会を持てないことも、状況の悪化に拍車をかけている。

 「私も孤独死はあり得る」。地震で大きな被害を受けた益城町の復興住宅に一人で暮らす冨田えり子さん(70)は、この先の生活に不安を隠せない。昨春、仮設住宅から移ってきたが、その後のコロナ禍で住民の懇親会は開かれず、近所の人と顔を合わせても話題が見つからない。

 近所の復興住宅では、仲のよかった80代の女性が年明けに入院先で亡くなった。一人暮らしだった。孤独死を防ぐためにも「被災者同士が助け合える関係をつくらなくては」と思い、お茶会なども提案したが続かなかった。

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