大阪で進む病床の逼迫、首都圏でも 「1年前に戻った」

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浪間新太、久保田侑暉、釆沢嘉高 熊井洋美、姫野直行
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 新型コロナウイルスの変異株が関西圏で猛威を振るう中、緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」が東京、京都、沖縄の3都府県に適用されることが9日、決まった。これにより対象地域は6都府県に拡大するが、果たしてどこまで抑え込めるのか。

 「変異株の脅威を考えると、大都市間の人流抑制が重要」。東京都に適用が決まった9日、小池百合子知事は定例会見で対策についてこう述べた。

 念頭にあるのは大阪などで感染が広がる「N501Y」とも呼ばれる変異株だ。都健康安全研究センターのスクリーニング検査では、4日までの1週間で検査対象者の32・3%と前週に比べ増加。小池知事は重症化のリスクなどに触れ、入院期間が長引き、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)しやすくなることを訴えると強調した。

 5日から適用されている大阪府は、大阪市を対象に飲食店などに対する営業時間の短縮要請を午後8時までに強化。府、市の職員による見回りも始めている。

 繁華街の北新地では酒類販売を終えた午後7時に店じまいする店や、休業する店も。ジャズバー「ムルソー・セカンドクラブ」に来店した客は8日までの4日間で4人だけ。代表の東司丘興一さん(69)は「要請に従わない店もあるし、外で飲む人たちも。見回りは、そういう人たちを『取り締まる』べきだ」。

 「人流」をソフトバンクの子会社アグープのデータでみると、大阪・梅田駅周辺の5~8日の人出(平均値)は、適用前の前週と比べると午後9時台は21・3%減だが、午後3時台は4・5%減にとどまる。

 大阪府は8日、1日あたりの新規感染者数として、過去最多の905人を確認。新規感染を行政が把握するまで1~2週間程度かかるとされ、重点措置の効果を見極める前に、感染者が増え続けている状況だ。

 背景の一つとされるのがN501Yを主とする変異株。感染者の一部について、検体を再び調べると変異株の割合は3日までの1週間で73・7%に上った。

 こうした中、医療態勢の逼迫が急速に進む。8日時点で入院中の重症者は167人に上り、確保している対象病床224床の使用率は74・6%。患者が重症化しても重症病床に転院させず、元々いた病院で治療を続けるケースも出ている。9日までに、重篤なけがや病気の急患に対応する3次救急を担う府内16病院のうち少なくとも2病院が受け入れの制限を始めた。

 府が「第4波」とみる今回は、重症病床が埋まるスピードが速いのも特徴だ。これまでは行動範囲の広い若年層が感染し、重症化リスクの高い高齢者へと広がる傾向があった。今回は高齢者以外の世代でも重症化する人が増えている。

 大きくは減らない人流、増加傾向の変異株。吉村洋文知事は9日、重症患者のうち60歳未満の割合が、「第3波」(昨年10月10日~今年2月28日)では17・5%だったが、3月は27・9%に上昇していると明らかにした。「若い世代は『大丈夫』と思っているかもしれないが、N501Yで明らかに変わっている」とした上で、こう述べた。「確保病床数を超えて、重症患者が発生する可能性が極めて高い」(浪間新太、久保田侑暉、釆沢嘉高)

「患者を入院させてあげられない」

 世界保健機関(WHO)の報…

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