英王室フィリップ殿下死去、99歳 エリザベス女王の夫

下司佳代子、ロンドン=金成隆一

 英国のエリザベス女王の夫エディンバラ公フィリップ殿下が9日、死去した。99歳だった。1947年に結婚したエリザベス女王との間に3男1女をもうけ、70年以上にわたり女王を支え続けた。高齢のため、2017年夏に公務から引退し、今年2月には体調が優れないことから入院していた。

 王室は9日の声明で、フィリップ殿下が「今朝、安らかにウィンザー城で亡くなりました」と発表した。詳細は後ほど伝える、としている。

 フィリップ殿下は1921年、デンマーク王家の系統でギリシャ国王の弟であるアンドレオス王子の長男として、ギリシャ・コルフ島で生まれた。1歳の時に勃発したクーデターのため一家は亡命生活を余儀なくされ、少年時代は英国やフランスドイツなどで過ごした。

 英南西部ダートマス海軍兵学校に入学した39年、同校を訪問した女王(当時は王女)の案内役になった。テニスコートのネットを飛び越えて見せたフィリップ殿下に女王は恋心を抱いたとされる。2人はともに19世紀に大英帝国を築いたビクトリア女王の子孫にあたる。

 その後は第2次世界大戦に従軍し、海軍でのキャリアを積んだ。47年に結婚。57年に「王子」の称号を与えられた。

 歯にきぬ着せぬ発言や、冗談のつもりで発したぶしつけな言葉は時に物議を醸した。中国訪問時には、交換留学中の英国人に「ここに長く住むと目が細くなる」と言ったり、ケニア訪問中、現地の女性に「あなたは女性ですか」と言ったりして批判を浴びた。

 ただ、女王の外国への公式訪問には常に寄り添い、90年代に相次いだ子どもの離婚問題やメディアによる王室バッシングで落ち込む女王を支えたといわれる。

 結婚70周年を迎えた2017年のクリスマスには、女王はビデオ声明で殿下の「独特なユーモア」をたたえ、感謝の意を表した。

 17年8月を最後に公務からは引退し、公の場に姿を見せることは極端に少なくなった。18年4月には臀部(でんぶ)の手術のため入院。今年2月にも入院し、英メディアは、数日間にわたって体調が優れないことによる「予防的措置」と伝えていた。ただ、99歳と高齢のため、体調を心配する声があがっていた。(下司佳代子、ロンドン=金成隆一)