衆院北海道2区補選、13日告示 野党は共闘体制

斎藤徹、中野龍三、松尾一郎
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 吉川貴盛・元農水相=収賄罪在宅起訴=の辞職に伴う衆院北海道2区補選が、13日に告示される。吉川氏が所属した自民が候補者擁立を見送る一方、野党は共闘体制を確立。無所属候補も名乗りを上げ、道内の小選挙区で過去最多の7人が立候補を予定する。野党統一候補の松木謙公・前衆院議員(立憲民主)に他候補が挑む構図となりそうだ。

 9日夜、札幌市東区の区民センターで、松木氏の決起集会が開かれた。公認する立憲民主、共闘を組む共産、社民の3党の支持者ら約90人が集まる中、松木氏は「野党統一候補になったからには自信をもって頑張りたい」とあいさつした。

 3党は、「野党共闘で政権奪還を」と訴える護憲・平和団体「戦争させない市民の風・北海道」の仲立ちを受け、昨年末から候補者統一を協議してきた。立憲民主と共産は「原発ゼロ」などで折り合いがつかず、協議は難航したが、「共闘による勝利」を最優先とすることで一致。3月28日、松木氏を統一候補とし、共産が候補を取り下げることが決まった。

 前回2017年衆院選では、吉川氏が10万4千票余りを獲得し当選。次点の松木氏は希望(当時)公認で約7万4千票、続く共産候補は約5万2千票だった。野党側は、自民不在の選挙を圧倒的に有利に進め、秋までに行われる総選挙での自民との対決に弾みをつけることを狙う。

 ただ、吉川氏が鶏卵業者からの現金供与疑惑の発覚後に辞職した一方、松木氏は2月、過去の政治資金収支報告書で不適切な会計処理をしていたことが判明した。共産支持層には、所属政党を転々とした松木氏支援への抵抗があるとの指摘もある。立憲道連の逢坂誠二代表は「選挙は何が起きるかわからない。気を抜いてはいけない」、共産道委員会の青山慶二委員長も「甘い選挙でない」と気を引き締める。

 自民が「不戦敗」を決め、政権与党の公明も自主投票とし、それぞれの地元議員らは表立った動きを見せていない。自民は道連会長人事を巡る混乱が続き、公明も特定候補の支援には動かないとみられる。そうした中、保守系の支持層を取り込む動きが活発化している。

 維新は、鈴木宗男参院議員の元秘書で前道議の山崎泉氏(48)を擁立した。鈴木氏は野党共闘を「政策の一致もなく野合だ。有権者の理解を得るのはほど遠いのではないか」と批判。前回衆院選の道2区で維新公認候補は約2万1千票を獲得しており、今回の補選で存在感を示すことを狙う。

 元農水官僚で弁護士の長友隆典氏(52)、元地元テレビ局アナウンサーの鶴羽佳子氏(53)の無所属新顔2氏は「保守」の立場を公言し、自民との距離の近さを強調する。

 長友氏は自民の政治塾出身の自民党員で、事務所には道内選出を含む自民の国会議員の激励の貼り紙が貼られている。鶴羽氏は自民支持層の企業経営者らへのあいさつ回りを続けている。鶴羽氏は総選挙での自民公認を目指すことも明らかにしている。

 補選にはこのほか、NHK受信料を支払わない方法を教える党から斉藤忠行氏(29)、政治団体代表の小田々豊氏(65)も立候補を表明。無所属で医師の小林悟氏(56)も10日に立候補を表明する予定。(斎藤徹、中野龍三、松尾一郎

衆院北海道2区補選に立候補を表明・検討している人たち

《立候補表明済み》

松木謙公(62) 立憲・前 元農水政務官

山崎 泉(48) 維新・新 元道議

斉藤忠行(29) N党・新 元NHK集金人

小田々豊(65) 諸派・新 政治団体代表

長友隆典(52) 無所・新 弁護士

鶴羽佳子(53) 無所・新 元アナウンサー

《立候補を検討》

小林 悟(56) 無所・新 医師

※敬称略、年齢は投開票日現在