まるで「ピタゴラ装置」町工場発の新商品、すぐ売り切れ

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染田屋竜太
大阪府東大阪市の町工場が技術を生かしてつくりあげた積み木のおもちゃ。「ピタゴラスイッチ」のからくりのような商品には、技術が詰まっている=2021年、染田屋竜太撮影
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 自分で組み立てたコースにビー玉を転がす、NHK・Eテレの人気番組、「ピタゴラスイッチ」のからくりを思わせる大阪産のおもちゃが人気だ。1万円以上の値段でも発売すればすぐに売り切れ。製造するのは創業61年、木材加工の技術を誇る会社。「将来的には会社の柱にしたい」という若手後継ぎの熱い気持ちが新商品開発を実現させた。(染田屋竜太)

 溝があったり穴が開けられたりした積み木。重ね、組み合わせてビー玉を置くと、入り組んだコースをたどりながら転がっていく。積み木でつくった「ピタゴラ装置」のようだ。

 木製のおもちゃ「coconos(ココノス)」を考え出したのは、銅線などをまきつける円柱形のドラムやボビンを作り続ける「大徳木管工業」(大阪府東大阪市)の専務、岩川宏治さん(39)。木材加工の技術には定評のある同社だが、同社の3代目として会社を継ぐ岩川さんは、「将来に向けて会社を支えるため」と4年ほど前から新商品の開発を考えてきた。

 ヒントになったのは、ボビンをつくった時にできる「端材(はざい)」だった。くりぬかれて残った木材は捨てざるを得ず、「有効活用できればエコにも貢献できる」と考えた。自分を含めて職人3人の小さな工場。どんな商品にするか、仕事の合間に1人で頭をひねった。

 使うのはブナの合板。堅さや重さから積み木によく使われていた。でも、ただの積み木じゃ面白くない。

娘の遊びを見て「これだ!」とひらめき

 そんなとき、当時3歳くらいだった長女が積み木の上にビー玉を転がして遊ぶのを見た。「積み木とビー玉を組み合わせれば子どもが興味を持つのでは」。大学で幼児教育を学んでいたこともあり、子ども向けの商品に関心があった。当時、「ピタゴラスイッチ」は知らなかったが、欧州でつくられているおもちゃを見て「これだ」と思った。パズルのような楽しさもあり、玉が転がる様子は見ていて楽しい。精密な木材加工の技術も生かせる。

 会社で作るドラムやボビンは業者向け。一般消費者向けの商品開発のノウハウはなく、手探りだった。そんなときに生きたのが過去の知識や人のつながりだった。大学時代の友人の現役保育士に開発品を見せ、恩師から助言も受けた。

 積み木の組み合わせはわずか…

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