バイデン政権 対北朝鮮は「段階的アプローチ」か

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ワシントン=園田耕司 聞き手・園田耕司
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 バイデン米政権が見直しを進めている対北朝鮮政策について、北朝鮮に対価を与えながら長期的に非核化の実現を目指す「段階的アプローチ」をとるという見方が、米専門家らの間で強まっている。トランプ前政権が米朝首脳会談に踏み切ったが、北朝鮮は「即時完全な非核化」の要求に反発して交渉は停滞。核・ミサイル開発を続けさせた「失敗」が背景にある。(ワシントン=園田耕司)

 米国務省のプライス報道官は8日の記者会見で、バイデン政権が進めている対北朝鮮政策の見直しについて「最終段階に入っている」と明言。米政府関係者によると、サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は2日にメリーランド州アナポリスで日韓両国の国家安全保障会議(NSC)責任者と会談した際、見直し案の要点について説明したという。

 民主党のクリントン政権で米国務次官補(核不拡散担当)として北朝鮮ミサイル協議の米首席代表を務めたロバート・アインホーン氏は、バイデン政権の北朝鮮問題担当チームとの意見交換などから「バイデン政権の対北朝鮮政策は『段階的アプローチ』を取る可能性が高い」と語る。

 バイデン政権は発足後、元政府高官や専門家の意見を聞きながら対北朝鮮政策の見直しに着手。前政権の失敗への反省からだ。前政権は2018年6月のシンガポールでの米朝首脳会談で「朝鮮半島の『完全な非核化』」に合意し、非核化交渉を開始。しかし、交渉が停滞する間、北朝鮮は核・ミサイル開発を続けた。

 アインホーン氏は、トランプ政権が非核化だけを最優先して短期間の実現を目指す「即時完全な非核化」というアプローチにこだわった結果、交渉が行き詰まったのが最大の原因とみている。「バイデン政権のチームはこの点を分析し、前政権と同じように『即時完全な非核化』を主張しても、米朝交渉は続かないと考えている」と解説する。

記事後半では、北朝鮮の非核化を達成する「段階的アプローチ」の利点や問題点、さらにアインホーン氏のインタビューを詳しくお伝えします。

時間はかかっても「現実的」

 アインホーン氏は「段階的ア…

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