米政権、連邦予算に要望 気候変動対策などの増額求める
ワシントン=青山直篤
バイデン米大統領は9日、2022会計年度(21年10月~22年9月)の予算のうち「裁量的経費」に関する予算要望を米議会に提出した。政権の優先順位を反映して毎年度決める経費で、前政権が消極的だった気候変動対策や、半導体など先端技術の研究支援に手厚い予算配分を求めた。政府主導の産業政策や富の再分配を重視し、コロナ禍からの復興を目指す。
裁量的経費約1・5兆ドル(160兆円)のうち、非国防分野は前年度比16%増の7690億ドルと大幅増額を求めた。一方、トランプ前政権下で増えていた国防分野は、「中国の抑止」を優先目標として掲げつつも要望額は同1・7%増の7530億ドルにとどめた。共和党からは「中国共産党に立ち向かう意思を疑わせる」(マコネル院内総務)などと厳しい批判が上がった。
国内政策では中長期的な成長につながる教育を重視し、貧困地域の児童への支援に前年度比200億ドルの大幅増額を要請。気候変動対策でも同140億ドルの増額を求め、保健衛生分野の研究開発を担う「高等研究計画局」の創設も盛り込んだ。米国際開発局(USAID)などを通じた国際協力予算も拡充を求めた。
中国との経済・軍事競争のカ…