米アマゾンの労組結成、否決へ バイデン氏も注目の投票

サンフランシスコ=尾形聡彦
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 米アラバマ州にあるアマゾンの倉庫で働く従業員たちによる労組の組織化への賛否を問う投票で9日、反対票が賛成票を上回り、労組結成が否決される見通しになった。コロナ禍で最前線で働く労働者の権利への関心が高まるなか、バイデン米大統領も注目し、米国の労働運動の再活性化の転機になるかどうかが焦点になっていた。

 開票にあたった米当局によると速報で、賛成は738票だったのに対し、反対は1798票に上った。異議が出て審査に回っている票が約500あるものの、仮にその数をすべて賛成票に加えたとしても反対票を上回ることはなく、否決が確実な情勢になった。結果は異議申し立て期間などを経て、認定される。

 運動を進めてきた労組「小売・卸売・百貨店労働組合(RWDSU)」は9日、「アマゾンによる行為は混乱や強制、報復への恐怖という雰囲気を作り出し、従業員の自由な選択を邪魔した」と批判。アマゾンは同日の声明で「当社が勝ったのではなく、従業員たちが労組に入ることに反対するという選択をしたのだ」と歓迎した。

 米国では数十年にわたり労働者に占める労組加入率の下落傾向が続いてきたが、コロナ禍に見舞われた昨年は、2019年より0・5ポイント高い10・8%に上昇。過去約40年で最大の伸び率だった。バイデン米大統領も2月末のビデオ演説で、「アラバマの労働者や米国じゅうの労働者が、労組を結成するかどうかの投票をしている」と言及。アマゾンは労組結成を阻む動きを何度も行ってきたと米メディアで繰り返し報じられてきた経緯があり、今回の労組結成を巡る投票は米国で注目されていた。(サンフランシスコ=尾形聡彦