椅子なく立ちつくす女性委員長 トルコのEU接遇で物議
ブリュッセル=青田秀樹、イスタンブール=高野裕介
トルコでエルドアン大統領と会談した欧州連合(EU)の行政トップ、フォンデアライエン欧州委員長が、ひざ詰めで話ができる椅子ではなく、ひとり離れてソファに座らされたことが、女性軽視ではないかと議論になっている。ともに会談にのぞんだEU首脳会議のミシェル常任議長(大統領に相当)とエルドアン氏の男性2人は隣り合って座ったからだ。
会談は6日、トルコの首都アンカラの大統領府で行われた。冒頭の映像によると、エルドアン、ミシェルの両氏は、それぞれトルコ国旗とEU旗を背にして隣り合う椅子に着席。椅子がなかったフォンデアライエン氏は、驚いた様子で、しばし立ちつくした。
欧州メディアは「ソファゲート」と呼んで問題視。EU内部では、EU域外の国がミシェル氏が務めるEU首脳会議常任議長を国家トップとして、フォンデアライエン氏の欧州委員長を首相ポストだとして遇することが背景にあるのではないかと分析しているが、EU首脳がともに男性だった2015年のトルコでの首脳会談では3人が並んで座り、その写真が残されている。女性のフォンデアライエン氏が軽んじられたのではないか、というわけだ。
ロイター通信によると、イタリアのドラギ首相は「委員長の屈辱は非常に残念だ」とし、エルドアン氏を「独裁者」とまで呼んで批判した。
EU側は今回、会談場所の下…