キャンセル?そもそも予約ない GW、ため息の観光業界

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華野優気、寺沢知海、甲斐江里子
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 人々が動き、行楽地がにぎわう5月の大型連休。観光業者のかき入れ時だが、緊急事態宣言下で迎えた昨年に続き、今年も「まん延防止等重点措置」の影響を受けることになった。2度目の緊急事態宣言が3月に明け、「今年こそは」と期待していた関係者のため息があちこちで聞こえる。

 大阪市東住吉区の旅行会社「摂陽観光」。大型連休に向け、東京ディズニーリゾートのチケット付きツアーを確保するなど、準備を進めてきたが、すでに大阪発の旅行予約の半数以上がキャンセルされた。

 かかってくる電話の多くは「いつからキャンセル料がいるのか」という問い合わせ。昨年の大型連休もキャンセルが相次ぎ、5月の売り上げはほぼゼロだった。藤原雅彦社長(69)は「今年の予約もほとんど消えるだろう」と力なく話した。

 大手旅行会社JTBでは、3月に緊急事態宣言が解除されると、大型連休の予約が全国的に増え始めたという。だが「重点措置は想定外だった」と広報担当者。主なツアーのキャンセル料は21日前から発生するため「影響がどのくらいか、今後の状況を注視したい」。

 不要不急の外出自粛が呼びかけられ、大阪市中央区の女性会社員(25)は、連休中に2泊3日で予定していた東京への帰省を取りやめる。年末年始も自粛し、「5月こそは」と計画していたが、「安心して人に会えるまでは帰れない」と話す。

「そもそも予約がない」

 宿泊施設も、まったく先が見えない。

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ・大阪市)近くのあるホテルは、3月に学生の卒業旅行などの利用があったが稼働率は2割を切った。そこに追い打ちをかけるように、重点措置がやってきた。4月はほぼ予約がない。

 5月の大型連休は5~6割の部屋に予約があるが、「いつキャンセルされるかと考えると怖い」と担当者。連休以降の予約はゼロで「開ければ開けるほど赤字になる。この状況が続くと、夏までに閉めることになってもおかしくない」と危機感をにじませる。

 神戸や京都など周辺都市への観光拠点にもなっている「ホテルプラザオーサカ」(大阪市淀川区)。重点措置について、担当者は「かき入れ時とみて従業員を確保するなど戦略を立てていただけに影響も大きい」と嘆く。大型連休中の予約は2割ほどだ。

 「そもそもキャンセルになるような予約がない」。そう話すのは、大阪・ミナミにある老舗旅館「大和屋本店」(同市中央区)の取締役、石橋駿一さん(29)。連休中の予約は1割にも満たない。4月に入ってほぼ予約が途絶えたといい、「予約のない日が当たり前という日々が、また戻ってきた」と落ち込む。

 観光客が頼りの土産物店も深…

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