名古屋市長選、11日告示 くすぶる知事リコール問題

関謙次
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 名古屋市長選は11日告示される。4期目をめざす河村たかし氏(72)=減税日本推薦=、元市議の横井利明氏(59)=自民、立憲民主、公明、国民民主推薦=の事実上の一騎打ちの様相だ。河村氏は、偽造事件に発展した大村秀章愛知県知事へのリコール署名を支援した責任を問われており、新型コロナウイルス禍での経済対策なども争点だ。25日に投開票される。

 リコール署名問題について、河村氏は「不正に気づかなかったことは申し訳ない」と陳謝し、署名偽造には関わっていないと説明。「選挙とは関係ない」との姿勢を見せていたが、独自調査の「中間報告」や、公約に「徹底的に真相究明」と盛り込んで説明責任への対応をアピールする。

 横井氏は「国民固有の権利の直接請求制度が侵害された大事件。河村氏には道義的責任がある」と迫る。また、河村氏と大村氏が関係修復不能となった現状を「県市の連携が完全に壊れ、市のコロナ病床が逼迫(ひっぱく)しても県に要請できない」と新型コロナ対応への影響も絡めて批判する。横井氏には共産、社民両党県組織も自主的支援にまわる。

 コロナ禍での経済対策も両者で違いが際立つ。河村氏は「市内の買い物でキャッシュレス決済をした人に30%分ポイント還元」、横井氏は「全市民へ商品券2万円分配布」を掲げる。

 9日夜にあった名古屋青年会議所主催の討論会では、互いの政策に疑問をぶつけた。河村氏はポイント還元を4年間続けるとし、「1年だけ商品券を配るのは愚民政策。経済対策は続けないと効果がない」と主張。横井氏は「困っている人を全て救うには急激にやるべきだ。支援や経済対策に直ちにつながる」と商品券配布の利点を強調した。

 河村氏の看板政策だった市長給与引き下げは、「市民並み給与」を掲げる河村氏が年800万円を継続し、横井氏は「県民の平均」として年544万円にするという。市民税5%減税は、河村氏は恒久化、横井氏はコロナ収束までの継続を訴える。

 ほかに元会社員の太田敏光氏(72)、NPO代表の押越清悦(せいいち)氏(62)が立候補すると表明している。(関謙次)