リンさんの両親、ベトナム料理店を開店 娘の思いを胸に

青柳正悟
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 4年前に小学3年のまな娘(当時9)を事件で失った千葉県松戸市ベトナム国籍の夫婦が10日、ベトナム人の友だちとベトナム料理と食材を売る「Ha Nguyen Viet Shop(ハーグェン ベトショップ)」を市内に開店した。「ベトナム料理を日本の友だちにも作ってあげたい」と話していた娘の遺志を継ぐ店でもある。

 店は新京成・元山駅前の3階建てビル1階に構え、店名は娘の母グェン・ティ・グェンさん(34)と共同経営者のブ・ティ・トゥ・ハーさん(34)の名前から名付けた。広さは約60平方メートルで、15席の料理店と、春巻きや肉、野菜などを売る食材店からなる。

 料理のメニューはベトナム麺「フォー」とサンドイッチ「バインミー」、ベトナムコーヒー。週替わりのメニューも提供する。コロナ禍の期間はカフェ中心のメニューにし、状況を見て増やしていきたいという。

 開店の午前9時には、小学2年の長男の同級生家族らが来店し、バインミーを食べながら雑談した。食材を購入する一般客の姿もあった。店は2人のほかベトナム人女性2人の計4人で切り盛りする。ビルの2階フロアも借り、いずれ1、2階合わせて50人が利用できるように改修中という。

事件後は憔悴の日々

 娘のレェ・ティ・ニャット・リンさんは2017年に殺害され、被告の男の裁判が続いている。グェンさんは事件後しばらくベトナムに帰るなど憔悴(しょうすい)の日々が続いていたが、この日は「今日はとても楽しい。バインミーはチリソースで食べるととてもおいしい。故郷の味を地域の仲間や日本の人に楽しんでほしい」と笑顔で話した。

 父親のレェ・アイン・ハオさん(38)によると、開店は4年前に予定していたが、事件で頓挫していたという。今後は「皆さんにうまい食事と安全安心な食材を提供していきたい」と話す。営業時間は午前9時~午後8時。問い合わせは同店(047・720・9139)。(青柳正悟)