災害への備えとは 熊本地震など被災4町長がセミナー

長妻昭明
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 熊本地震東日本大震災などの災害で被災した町長が災害への備えや復興のあり方を話し合う「被災自治体トップセミナー」が10日、熊本県益城町で開かれた。ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」でライブ配信もされた。

 2016年の熊本地震で被災した益城町が主催。同町のほか、宮城県女川町東日本大震災)、兵庫県稲美町阪神・淡路大震災)、北海道厚真町(北海道胆振東部地震)の町長4人が参加した。

 平時からの備えの重要性が口々に語られた。稲美町の古谷博町長は隣の明石市に支援に入った時、市では地震による被災が想定されておらず、「風水害が起きたときのマニュアルしかなかった」と当時を振り返った。女川町の須田善明町長は「地震前に作られたハザードマップでは津波が高台には来ないとされていた」と語り、「伝承と経験だけにとらわれてはいけない」と訴えた。

 益城町の西村博則町長は地震直後の対応について、「災害対策本部を立ち上げたが、余震の影響で何度も移転し、初期対応が遅れた。現在はマニュアルを作った」と話した。地震3カ月後に町民計1600人との意見交換で把握した被害や要望を国に伝え、それにより「復興基金として補助ができるようになった」と話した。

 セミナーの冒頭にあいさつした熊本県の木村敬副知事は「熊本地震の前震の後、益城町長には首相官邸から『屋外避難を止めろ』と圧力があったが、町長は余震が続いている中で屋内は危険と判断して従わなかった」とのエピソードを紹介。「そうしたら本震が起きたので、あの町長の決断が無ければ何百人が亡くなっていた。町長にはこういった重要な判断をした経験を語り継いでほしい」と話した。(長妻昭明)