三代目「がんばろう!石巻」看板 被災地励まし10年

福岡龍一郎
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 東日本大震災の月命日にあたる11日、宮城県石巻市にある「がんばろう!石巻」と書かれた看板が掛け替えられた。震災の記憶を伝えていくため、5年に1度、子どもたちも交えて新しくつくり直すことにしている。3月に開園した石巻南浜津波復興祈念公園の一角にあり、今回が3代目になる。

 看板はもともと、石巻市の門脇地区で水道工事店を営んでいた黒沢健一さん(50)が、がれきから見つけたベニヤ板でつくったのが始まり。「津波に負けたくない。地域の人を励ましたい」という思いで、津波で流された自宅兼店舗の跡に立てた。ちょうど10年前、発災の1カ月後だった。

 5年前、公園の予定地内に看板を移すことになり、黒沢さんは地元の門脇中学校の生徒たちと新しくつくり直した。このとき、「一緒に汗をかいて看板をつくることは、震災を次の世代に伝えるきっかけになる」と考え、5年に1度、掛け替えると決めた。

 門脇地区と公園がある南浜地区は、津波の被害が最も大きかった地域の一つ。震災前は両地区に計約4500人が暮らし、500人以上が犠牲になった。

 「今から5年後の中学生たちは、震災を経験していない子どもたち。彼らに震災を伝えていく、タイムカプセルのような仕組みにしていけたら」と黒沢さん。

 この日、コロナ禍で中学生たちは参加できなかったものの、1時間半かけて設置した。高さ約2メートル、幅約11メートル。初代からずっと変わらない。「がんばろう!石巻」とペンキで大書された文字は、被災した人々が暮らす災害公営(復興)住宅の方を向く。

 黒沢さんは「これまでの10年間、この看板を見て涙を流す人もいた。僕自身も励まされてきた。看板とともに、これからもがんばりたい」と話した。(福岡龍一郎)