帝王の格言も満たした松山英樹 悲願達成、機は熟した

畑中謙一郎
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 男子ゴルフのメジャー大会で史上最多の通算18勝、マスターズでも最多の6勝を挙げている帝王ジャック・ニクラス(米)はかつて、こう述べている。

 「メジャー大会で勝つには、メジャーの優勝争いを何度も経験することが必要だ」と。

 ニクラスが意図しているのは、こういうことだろう。①メジャー大会はぽっと出てきた若い選手が簡単に勝てるものではない②平常心でプレーするためには、優勝争いの重圧を何度も経験しなければいけない③勝負には運が必要。ただ、頻繁に上位に顔を出さなければ、その運は巡ってこない。

 松山英樹は既に米ツアーで通算5勝。うち2勝は、「準メジャー大会」と位置づけられている世界選手権シリーズだ。

 メジャー4大会でも、ベスト10入りは計7度。うち、4度はベスト5入り。2017年の全米オープンでは2位に入った。ニクラスの言う優勝争いの「経験」は十分。「松山はメジャーで、いつ勝ってもおかしくない」との評価も既に定着している。

 しかも、松山にとってメジャー4大会の中で、最も優勝に近いとみられているのがマスターズと言っていい。唯一、毎年同じコースで開催され、29歳ながら出場は今年で10回目。コースを熟知しているアドバンテージは確実にある。ショットの飛距離と精度、グリーン周りの技術は欧米の一線級に全く見劣りしない。

 松山が2位に4打差をつけてスタートするマスターズ最終ラウンド。日本ゴルフ界の悲願達成へ、機は熟している。(畑中謙一郎)