熊本地震5年 益城町で3年ぶり追悼式 記憶の継承誓う

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屋代良樹 藤原慎一
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 震度7の揺れに2度見舞われた熊本地震からまもなく5年となるのを前に、甚大な被害を受けた熊本県益城町が11日、追悼式を開いた。町主催の式典は3年ぶり。参列した遺族や町職員は、被災の経験や教訓を継承していくことを誓った。次世代につなぐための取り組みも始まっている。

 会場の町文化会館は地震で大規模半壊し、今年3月に修復工事を終えた。町は2018年からの工事期間中は献花台のみを設置し、追悼式の開催を見送っていた。3年ぶりの式は、新型コロナウイルス感染予防のため招待者を限定。遺族28人を含め、蒲島郁夫知事や西村博則町長ら計132人が参列した。

 益城町は16年4月14日の「前震」と16日の「本震」により、観測史上で唯一、2度の震度7の揺れに見舞われた。災害関連死を含む熊本地震の犠牲者276人のうち、益城町は45人。町内のほとんどの家屋が被害を受け、住宅6千棟以上が全半壊した。町によると、3月末時点で52世帯計152人が町内の木山地区にある応急仮設住宅で生活しているという。

 式では蒲島知事が「益城町の創造的復興は昨年の豪雨被害を受けた球磨(くま)川流域の皆様に希望を与え、必ずや復興の道しるべになる。誰一人取り残すことなく、最後の一人まで寄り添い支援する」と述べた。

 地震から5年が経ち、被災者の支援に加え、記憶の継承も課題となっている。

 地震で祖父母を失った熊本市の長石美輪さん(41)は遺族を代表し、「私たちの経験と教訓を無駄にせず、熊本地震を知らない世代にお伝えし、災害への備えに取り組むことが大切だ」と述べた。

 また今年度、町職員として採用された川前岳士さん(18)と大塚ちひろさん(18)は「災害発生から5年の節目に、災害で得た多くの教訓を風化させることなく、ながく後世に継承するとともに、災害に強い安心・安全なまちをめざす」と誓った。

 町は4月、2度の震度7の被害をふまえて「益城町7×2つなぐ基金」と名付けた基金を設けた。町外の被災地で災害ボランティアに携わった町民を対象に、基金からスマートフォンなどで使える電子地域ポイント「ましポ」を付与する。式の後、西村町長は記者団に「地震の検証を行い、ボランティアらへの恩返しに取り組む」と話した。(屋代良樹)

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