最終節で続いた劇的勝利 ラストプレーで見えたこと 

大坂尚子
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 (ラグビートップリーグ第7節、11日 トヨタ自動車25―24クボタ)

 紅組2位へ――。最後までしびれる展開は、微妙な判断が明暗を分けた。

 仕掛けたのはクボタだった。24―18で迎えた後半40分、相手が反則を犯すと、PGを狙った。入れば9点差。1トライ1ゴールでも追いつけない点差となり、勝利をほぼ手中にできる場面だった。

 だが、これが外れた。

 トヨタ自動車ボールで再開し、すぐにホーンが鳴る。ラストワンプレー。自陣22メートル付近からつなぎ、最後はWTB高橋汰地(たいち)(24)が相手を振り切ってインゴールに飛び込んだ。ゴールも決まり、25―24。劇的な逆転勝ちとなった。

 会場の花園ラグビー場では前日も劇的な試合があった。NTTドコモ神戸製鋼戦。試合終了間際に神鋼が逆転トライを決めていた。この日、クボタのPGが外れた瞬間、高橋の脳裏にそのことがよぎったという。「劇的な試合になるかもしれん。チャンスがあればいくぞってイメージはしていた」。予想通りの展開で、冷静かつ果敢に攻め切れた。

 2004年度にトップリーグ(TL)に昇格したトヨタは、これまで3位(07年度、10年度)が最高だ。今季は豪州代表で105キャップを誇るフランカーのマイケル・フーパーが加入。さらにポスト福岡堅樹候補として日本代表を狙う高橋や、ロックの秋山大地(24)ら若手も台頭し、5勝1敗でこの試合を迎えた。

 スター選手だけに頼らない充実した戦力ぶりを、リーグ戦最終節でも見せつけた。

 コロナによる昨季の中止を挟んで再開した今季のTL。神鋼やパナソニックといった強豪以外にも、トヨタやクボタ、NTTドコモなど、優勝経験のないチームが躍動した。

 背景には、19年のワールドカップ日本大会の成功の波に乗ったチームの強化、冷めなかったファンの熱、そしてそれに応えようとする選手の意地もあるだろう。花園のこの2日間。スタンディングオベーションで両者をたたえた観客の姿が、それを実感させてくれた。(大坂尚子)

 ▼リーグ戦最終順位

 レッド ①サントリートヨタ自動車③クボタ④NTTコム⑤東芝⑥ホンダ三菱重工相模原サニックス

 ホワイト ①パナソニック神戸製鋼NTTドコモ④リコー⑤キヤノンヤマハ発動機⑦日野⑧NEC