リオ銀の樋口、体重オーバーで失格 あと50グラムが…

金子智彦
[PR]

 あと50グラム――。恐れていたことが大一番を前に起きてしまった。

 レスリング東京オリンピック(五輪)アジア予選、男子フリースタイル57キロ級代表の樋口黎(ミキハウス)が、体重オーバーのため計量で失格に。勝負のマットに上がることすらできなかった。

 「食生活、運動量、カロリーなど全部気をつけてやってきた。全力で一切の妥協なくやってきたが、(最後の50グラムは)極限の状態で落ち切らなかった」。計量会場でオーバーした250グラムを規定の30分以内にカットできなかった。

 2016年リオデジャネイロ五輪で銀メダルを獲得した。その前から減量に苦しんでいたため、リオ後は65キロ級に階級を上げた。しかし、乙黒拓斗(自衛隊)との五輪代表争いに敗れ、階級を戻すことを決意。19年全日本選手権で元世界王者の高橋侑希(山梨学院大職)を破り、アジア予選代表の座をつかんだ。

 「五輪の借りは五輪でしか返せない。(アジア予選は)99%ぐらいは勝てる」と言っていた25歳。元々甘い物が大好きで「マカロン王子」の異名を持つ。乾いた雑巾を絞るような減量は過酷だった。昨年の全日本選手権。調整に失敗し3位に終わった後、「アジア予選で繰り返さないように。次につなげていけるいい勉強、いい薬になった」と話していたが、苦い教訓を生かせなかった。

 5月の世界最終予選(ソフィア)に派遣されるかは日本協会の判断となる。協会の選考基準により、樋口の代わりに高橋が派遣され、2位以内で五輪出場枠を獲得すれば、樋口と高橋の間で五輪切符を懸けたプレーオフが後日行われる。樋口は「もう一回り体を小さくしないといけない。できることをやっていって、あとは祈って待つしかない」と話した。(金子智彦)