出勤前のバタバタどうする 「それ、本当に朝必要?」

中島美鈴
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 なんで昨日の夜に準備しなかったんだろう。そう思って、昨日の自分に腹が立つことありませんか。昨夜は仕事で疲れて、明日の朝やればいいやと後回しにした自分を責めても仕方ないですけどね。朝のバタバタ、どうにかならないでしょうか。いっそのこと、朝にしかできないことだけを洗い出してはいかがですか? 臨床心理士の中島美鈴さんが解説します。

朝に家事を詰め込みすぎ

 前回から朝に早起きができない悩みについて、背景を下の5タイプに分けて、対処法を解説しています。

 ①「睡眠不足」タイプ

 ②「朝やることが多すぎる」タイプ

 ③「起きてもいいことがない」タイプ

 ④「もうすでに朝削れるだけ削ってる」タイプ

 ⑤「ついつい夜更かし」タイプ

 今回は、②「朝やることが多すぎる」、つまり朝起きる時間は決して人より遅くないのに、いつもバタバタになってしまうというタイプです。

 ADHDのリョウさんはこのタイプではないので、違う方の例をご紹介します。

 マドカさんには子どもが2人います。午前5時半に起きて支度をしていますが、家を出るのは午前8時でいつも遅刻ギリギリです。

 娘たちの幼稚園のお弁当作り、夫のお弁当作、朝ごはんの準備、洗濯物干し、掃除、娘たちが着る服をそろえ、髪の毛を結んであげなければなりません。

 食事の時にも「早く食べなさーい」と台所でお弁当を作りながら朝ごはんをほおばりつつ、大きな声でせかしています。

 庭の植物に水やりもしなくちゃいけないし、ゴミ捨てもあるし……。毎日目が回りそうです。

 マドカさんの朝やっていることは多いですね。よくこれだけのことをこなせますね。

 むしろ、よくやっていると思いませんか?

 こういう時には、朝やることを見直します。

 「朝じゃなくてもよくないかい?」

 「あなたがしなくてもよくないかい?」

 「そもそもそれしなくちゃ死んじゃうの?」

 「手抜きできない? 最低限レベルってどんなかんじ?」

家事、みんなでしましょう

 こうして、ツッコミをいれるのです。箇条書きにしながら突っ込んでいきましょう。

 ・娘たちのお弁当作り→定番メニューを決めれば考えなくてすむ。夫がする。

・夫のお弁当作り→お弁当でなくても大人だからなんとでもできる。

・朝ごはん準備→難易度は下げられる。弁当と同じメニューにする。パンなど簡単なものにもできる。夫も準備できる。

・洗濯物干し→夜しよう。

・掃除→ロボット掃除機に任せよう。

・子どもたちの着替え→子どもたち自身で準備させる。

・子どもたちの髪結び→子どもが自分でできるようなヘアセットコーナーを作る。

・庭の植物の水やり→夫がするか、乾燥に強い植物に変えるか、減らす。

・ゴミ出し→夫がする。

 こうして書き出すと、マドカさんの家はマドカさんだけに家事が集中しているという問題点に気づきました。

 誰がどれをしてもよいはずですし、朝でなくてもいいはずです。そんなに大変なら手抜きもいいでしょう。

 いかがでしたか?

 次回は早起きできないタイプの③、「起きてもいいことがない」タイプについてご紹介します。

 ◇時間管理についてさらに学びたい方のための参考図書:「ADHDタイプの大人のための時間管理ワークブック」(中島美鈴・稲田尚子、星和書店)https://www.amazon.co.jp/dp/4791109473/別ウインドウで開きます(中島美鈴)

中島美鈴

中島美鈴(なかしま・みすず)臨床心理士

1978年生まれ、福岡在住の臨床心理士。専門は認知行動療法。肥前精神医療センター、東京大学大学院総合文化研究科、福岡大学人文学部、福岡県職員相談室などを経て、現在は九州大学大学院人間環境学府にて成人ADHDの集団認知行動療法の研究に携わる。他に、福岡保護観察所、福岡少年院などで薬物依存や性犯罪者の集団認知行動療法のスーパーヴァイザーを務める。