インド太平洋戦略、「3つのアジア」で描く ドイツ外相

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 日本とドイツの両政府が13日、初めての外務・防衛閣僚会合(2プラス2)を開催するのを前に、ドイツのハイコ・マース外相が朝日新聞に寄稿した。新型コロナウイルスが感染拡大する中でも、アジア・太平洋地域の重要性は高まっていると指摘。中国などを意識しつつ、新たな関係構築に向け、ドイツが積極的な役割を果たしていく考えを示した。

 ドイツは台頭する中国を意識し、インド太平洋地域への関与を強めている。

 マース外相はアジアについて、「輸出立国であるドイツは長年にわたり経済的チャンスという観点から注視してきたが、それではもはや不十分だ」との認識を示し、「経済」「地政学」「グローバル課題」の「3つのアジア」の観点から、インド太平洋戦略を描く必要があるとした。

 地政学的な対立が深まれば自由貿易を脅かす要因となり、急激な経済成長が温暖化を深刻化させる懸念がある。「(3つのアジアが)相互に衝突する場面が増えてきた」とし、この地域が「国際政治の将来にとって決定的な重要性をもつ」との認識を示した。

 また、コロナ禍で他国に依存するリスクを痛切に味わったとし、「中国は私たちの中核的な経済パートナーの一つだが、日本や韓国などの成熟した国々や南アジアの成長市場をおろそかにしてはならない」と、関係の多角化を進める必要性を強調した。

 一方、中国の新疆ウイグル自治区での人権侵害や、国軍によるミャンマーのクーデターに関連して制裁を発動したが、「コストが発生することは当然分かっているが、説得力と原則の堅持は国際政治における私たちの基本だ」と強調した。

 13日の日本とドイツの2プラス2は、新型コロナウイルス対応のためテレビ会議方式で開催する予定。両国は安全保障分野での協力を議論する見通しだ。

 ドイツは年内にフリゲート艦1隻をインド太平洋地域に派遣する方針。今年3月には情報保護協定に署名するなど、日本との関係強化も図っている。