陸上、競泳の100メートル種目は、わずかな時間に技術や駆け引きが詰まっている。競泳男子100メートル背泳ぎの東京五輪代表・入江陵介(31)=イトマン東進=と、陸上男子100メートルで日本選手初の9秒台をマークした桐生祥秀(25)=日本生命=が「100メートル」への思いを語り合った。東京オリンピック(五輪)の開幕まで14日であと100日。
桐生 入江さん、五輪代表決定おめでとうございます。早々と決まってうらやましいです。陸上の代表が決まるのは五輪の1カ月前なんで。
入江 ありがとうございます。一発勝負の舞台だから、本当に緊張感があった。今は、ほっとしています。
――陸上、競泳、それぞれの100メートル種目で感じている魅力とは。
桐生 自分の成長とか、練習の成果とかをタイムで知ることができるところ、ですね。
入江 そうですね。見ている人にもわかりやすい。背泳ぎだと100メートルは個人種目としてだけでなく、メドレーリレーにも関わってくる非常に重要な種目だと感じています。
スタートは静寂に包まれるのでかなり緊張しますね。競泳の場合、フライングってほとんどないんですけれど、陸上って多いイメージがある。何で?
桐生 多いですね。ピストルが鳴って0秒1未満で反応するとフライングになるんですよ。スターティングブロックのセンサーで判定されます。ピストルを撃つタイミングって、スターターによって違いますよね。
入江 競泳は同じ種目でも男女でスターターが交代します。間がめっちゃ長い人がいる。そういう癖を見ますね。
――レース中はどんなことを考えているのか。
桐生 大まかに言うと、スタートからどこで顔を上げて、どこでトップスピードになって、それをどれくらい維持できるかを考えています。9秒98の日本記録を出した時もあっという間なんですけれど、時間の流れは認識しています。去年の日本選手権のように100分の1秒でも、勝ったかどうかは分かります。
入江 僕は背泳ぎなので電光掲示板のタイムが見えるんです。50メートルでターンしたときは何秒だったか確認します。前半が思い切り速い選手もいるし、後半型の選手もいます。
100メートルってどれくらいの歩数で走るの?
桐生がまた9秒台を出すために目指す歩数は。入江が子どもたちに伝えたいメッセージとは。記事後半では動画の本編もご覧いただけます。
桐生 僕は47歩とか47歩…