高齢者向けワクチン、水戸のグループホームから開始

新型コロナウイルス

藤田大道、鹿野幹男
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 茨城県内の高齢者向けのワクチン接種が12日、水戸市グループホームで先陣を切って始まった。だが、肝心のワクチンが約84万人の高齢者に行き渡る道筋は示されないままだ。変異株への懸念も高まるなか、自治体は接種態勢の整備に奔走している。(藤田大道、鹿野幹男)

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 高齢者接種の第一号となった水戸市グループホームではこの日、80代の入所者1人と、施設職員4人にワクチンが接種された。5人に重い副反応は見られていないという。5人は約3週間後、2度目の接種を受ける予定だ。

 クラスター(感染者集団)対策の観点から高齢者施設の入所者と職員に優先接種する県の方針に沿って、同市では認知症の高齢者が入所するグループホームでの接種を優先させた。今後、退院直後の高齢者が入居する介護老人保健施設や、要介護度3以上の人が入所する特別養護老人ホームにも対象を広げる。市内の高齢者施設は132カ所。入所者は約5200人で、接種を希望する職員は約4300人に上る。

 ただ、接種日程の段取りには手間がかかる。家族の同意をとりつつ、接種担当の医師と日程も調整しなくてはならないからだ。市内27カ所のグループホームでの接種に必要な量はまかなえるが、まだ、完了時期の見通しは立っていない。

 接種を担当した原毅・市医師会長は「やっと高齢者にワクチンが回ってきた。市と一体で進めたい」と話した。

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 古河市は5月、先行配布分を活用し、高齢者約2千人に病院や体育館で実施する。希望者を12日からネットと電話で募ったが、約4時間半で満員になった。水戸市のコールセンターにも平日、200件以上の相談電話が寄せられている。

 住民の関心は高まるが、肝心のワクチン配布は進んでいない。県内の高齢者と高齢者施設の従事者計約88万6千人を対象にした確保率は、約3・6%。国は5月3日以降の各都道府県へのワクチンの配分量を示しておらず、自治体は手探りで準備を進める。

 水戸市は、診療所などでワクチンを打つ個別接種と、会場を設けて来てもらう集団接種を併用する。3月下旬、集団接種会場のショッピングセンターで市民18人を招いて訓練を実施した。高齢者が受付で接種券を渡し、事前に記入した予診票をもとに、医師の問診を経て接種。その後、重いアレルギー反応の有無などを確認するために15~30分程度、会場で待機する。医師からは「市民の不安など問診が予想以上に時間がかかる」との声が上がった。接種を終えて会場を出るまでに最長で約一時間かかるケースもあったという。

 ある自治体の担当者は「医師にも勤務がある。医療機関とスムーズな連携が継続できるかは見通せない。国のワクチン配分日程も定まらず、前週と全く違うことを翌週に伝えられる。正直、不安だらけだ」と困惑気味に語った。

各市町村に届くワクチンの量と時期

・4月5日の週 水戸(2箱、約980人分)

・12日の週 つくば、取手、下妻、日立、牛久(各2箱、約980人分)

・19日の週 土浦、神栖、古河、常総、坂東(各2箱、約980人分)

・26日の週 全市町村(各1箱、約490人分)

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