比叡山中に「魔女の家」 保育園児を包んだ魔法の正体は

有料会員記事

田中ゑれ奈
[PR]

「まだまだ勝手に関西遺産

 天台宗総本山を頂く霊場・比叡山。叡山ケーブル沿いの森の中に赤い屋根が見える。「魔女の家」だ。

 幼い頃、行った覚えがある。不気味にきしむ扉と魔女の気配に足をすくませながらおそるおそる入ると、家の中は空っぽ。テーブルには置き手紙と、お土産のクッキーが置かれていた――。

 「あっ魔女いた!」「魔女さーん!」。歓声を上げて斜面を上ってくる子どもたちに、テラスから手を振る。あれから四半世紀。ホグワーツの手紙もプリキュアの妖精も来ないまま大人になった私はこの日、魔女になった。帽子やマントで変装し、お別れ遠足でやってきた嵯峨野こども園の一行を待っているのだ。

 「魔女の家」の正体は、野外保育施設「八瀬野外保育センター」の「もりのいえ」。京都市保育園連盟が運営し、宿泊施設や野外炊事場、イベントホールなどを擁するセンターは、遠足やお泊まり保育の受け入れ先として、例年約1万4千人の園児たちでにぎわってきた。

後半では、小説家の仙田学さんが女装と魔女への思いを語ります

 八瀬の山には魔女だけでなく、マムシや猿も出る。「あんな所に勤めてた私も、魔女みたいなものです」。設立から20年以上、指導保母(現指導保育士)を務めた池田美以子(みいこ)さん(80)は「私が勝手に魔女の家と言い始めたのが、定着したみたい」。

 深い森を背景に、かつて羊の…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら