衆院北海道2区補選が告示 6氏が立候補し論戦

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 吉川貴盛・元農林水産相=収賄罪在宅起訴=の議員辞職に伴う衆院北海道2区(札幌市北区の大部分と東区)の補欠選挙が13日告示され、前職1人と新顔5人の計6人が立候補を届け出た。道内の小選挙区では最多に並ぶ候補者数。吉川氏が所属した自民が候補擁立を見送った一方、野党側は統一候補を擁立。「政治とカネ」の問題や新型コロナウイルス対策などを争点に、投開票日の25日に向けて論戦が始まった。

 野党側は補選を次期衆院選の前哨戦と位置づけ、共闘態勢を組んで立憲民主前職の松木謙公氏を支援。社民、国民民主と、共産の道委員会が推薦した。出発式に駆けつけた立憲民主の枝野幸男代表は吉川氏の辞職に触れ、「古い時代の利権政治が令和の時代にまかり通ることを許していいのか」と批判。政府の新型コロナ対策について「国民に我慢を強いるだけで当事者意識がない。札幌から感染症対策の抜本的見直しの狼煙(のろし)をあげていこう」と呼びかけた。

 日本維新の会は、自民の「不戦敗」で行き場を失った保守層の受け皿となるべく前道議の山崎泉氏を擁立。地域政党新党大地」の推薦を受ける。維新北海道総支部と新党大地の代表・鈴木宗男参院議員も街頭に立った。鈴木氏は、松木氏が政治資金収支報告書を不適切に処理していた問題を指摘。「有権者に十分な説明責任を果たしていない」と批判し、対決姿勢を鮮明にした。

 無所属新顔の鶴羽佳子氏は唯一の女性候補であることを強調。街頭演説の後、自民党元総務会長の野田聖子衆院議員とオンラインで対談した。無所属新顔の長友隆典氏は、街頭演説では自民系の小樽市議らが見守るなか、選挙区内の丘珠空港の活用など経済活性化策を訴えた。両氏は自民との近さを保守層に訴える。

 NHK受信料を支払わない方法を教える党新顔の斉藤忠行氏は、NHKのスクランブル放送化を主張。選挙戦は主にネットで行う。

 無所属新顔の小林悟氏は医師の立場からコロナ禍での医療体制拡充を訴えたいとし、街頭演説を続けていく方針という。

有権者「国民の生活考えた政治を」

 候補者の街頭演説に耳を傾けた2区の有権者に、政治に望むことを聞いた。多かったのは、新型コロナウイルス対策だ。

 札幌市北区の女性(89)は感染拡大で外出できず、自宅でテレビを見ることが多くなった。「仕事を失った人もいると聞く。政治はそういう人を助けてあげてほしい」。別の女性(87)は「わかりやすい正確な情報を伝えてほしい。ワクチンが早く接種できるような政策を期待したい」。

 国民が外出自粛などを強いられるなか、国会議員の銀座クラブ訪問などが報じられたこともあった。北区の会社員女性(59)は「そういう政治家は困る。国民の生活を考えた政治をしてほしい」と話した。

 補選の発端となった「政治とカネ」の問題に注目する有権者も多い。北区の男性(91)は、議員辞職した吉川貴盛・元農水相の現金供与疑惑について「金銭問題は政治家が一番注意しなければならないこと。候補者にはきれいな政治をしてほしい」と注文。東区の会社役員男性(64)は「(疑惑は)今の世の中では考えられない。コロナ禍で選挙のために金をかけている場合ではない」と話した。

 一方、北区の主婦(72)は補選を「フレッシュな人に変える機会」と前向きに捉えている。「政治家の地位にあぐらをかく人は議員になってほしくない」とも語った。

衆院北海道2区補選の顔ぶれ

(届け出順、敬称略、年齢は投開票日現在)

小林悟(56 無新 医師)

松木謙公(62 立前 元農水政務官)

鶴羽佳子(53 無新 元アナウンサー)

長友隆典(52 無新 弁護士)

山崎泉(48 維新 元道議)

斉藤忠行(29 N新 元NHK集金人)