本命だった処理水の海洋放出 タンク満杯までの時間稼ぎ

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小坪遊、藤波優
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 東京電力福島第一原発から出た汚染水を処理した水の海洋放出は、当初から本命視されていた。だが、国と東電は事故から10年間、処分方針への態度をあいまいにし、決断を先延ばしし続けてきた。増設を繰り返してきたタンクの満杯という「時間切れ」が2022年秋以降に迫るなか、追い詰められるように方針決定に傾いた。

 「処理水の処分は避けて通れない、いつまでも先送りできない課題だと認識している」。菅義偉首相は今月11日、国会で強調した。

 問題の始まりは、事故直後の11年4月だった。高濃度の汚染水が海に流出しているのが発覚。この時東電は、高濃度の汚染水をためる場所を確保するため、より濃度の低い汚染水を意図的に海へ放出した。連絡の不備もあり、地元や海外から猛反発を受けた。

 13年には、タンクや地下貯水槽にためていた高濃度汚染水が漏れる事故が相次ぎ、再び不安が広がった。田中俊一・原子力規制委員長が「(処理して)海洋放出も検討されるべきだ」と発言するなど政府内からも声が上がり、当時の安倍晋三首相は「喫緊の課題」として対策に乗り出した。

 だが、そこからが長かった。

 地下水が建屋に入る前にくみ…

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