東芝の買収価格「安過ぎ」 CVC提案に香港系オアシス

小出大貴
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 東芝に英国系投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズが示した1株5千円という買収価格について、既存株主の香港系投資ファンドオアシス・マネジメントが「安い」と指摘した。「1株6200円超の公正な価格を大きく下回っている」と主張した。

 買収価格についての既存株主の見解が明らかになるのは初めて。今後はシンガポール系のファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネジメントなど、大株主の動きも注目される。

 香港系のオアシスは東芝取締役会議長の永山治氏に12日付で文書を送った。東芝の車谷暢昭社長はかつて英系CVCの日本法人のトップを務めた。オアシスは「この関係だけを理由にCVCの提案を拒むべきではない」とも訴えている。

 オアシスは、東芝が米国の原子力事業の失敗などで経営危機に陥っていた2017年末に、資本増強のための増資を引き受けた約60の海外ファンドの一つ。この際、今の基準に照らすと1株2600円ほどの水準で買った。CVCが提案する5千円でも利益は出る計算だが、東芝の企業価値はもっと高い、との主張だ。

 東芝の足元の株価は、4500円前後で推移している。株式の公開買い付け(TOB)への期待を背景に、買収提案が明らかになる前の約3800円より高い水準だ。

 東芝株の価値をめぐっては、シンガポール系の投資ファンド、3Dインベストメント・パートナーズは、東芝経営陣と対立した昨年7月の株主総会で「1株6500円強の価値がある」と主張していた。(小出大貴)