福島の漁獲 売る側と生産者の意思疎通、政府が促進を

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根岸拓朗
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 政府は13日、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出を正式に決めた。風評被害などをめぐる政府の対応は十分なのか。福島の魚や漁業の状況に詳しく、「原発事故と『食』」の著書がある筑波大学の五十嵐泰正准教授に聞いた。

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 原発事故後、福島の沿岸では魚種や水揚げ日を管理しながら漁をする「試験操業」が続き、徐々に漁獲量を増やしてきた。漁業者らは、処理水を海に流せば福島の魚のイメージが落ちて買われないという風評被害が起きるとして、海洋放出に反対してきた。

 政府は13日に海洋放出の「基本方針」を発表した。五十嵐さんが注目するのは「生産・加工・流通・消費それぞれの段階ごとに、徹底した対策を講じる」としたことだ。地元の仲買・加工業者への新たな支援のほか「主要消費地で『常磐もの』の販路や用途拡大に向けた取り組みを進める」という。

 五十嵐さんは「流通面の課題を解決するとの方向性が打ち出されたことは評価したい。関係する省庁が連携して実効性をもたせてほしい」と語った。

 風評被害対策は、①科学的な安全性の説明や啓発②流通の課題解決の両方が必要だという。これまで政府は①に重点を置いてきたが、事故から時間が経過して人々の関心が薄れるに伴って、②の重要性が高まると五十嵐さんはみている。

 試験操業という制限のなか…

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