「安全と言われても…」 海洋放出、岩手でも募る不安

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西晃奈
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 東京電力福島第一原発事故によって放射性物質に汚染された水を処理して海に流す方針を、政府が13日に決めた。福島県だけでなく、岩手県内の漁業関係者や飲食店からも、安全性への疑問や風評被害を懸念する声が相次いだ。

 宮城県との県境にある陸前高田市の広田湾。カキとワカメの養殖をしている千田(ちだ)勝治さん(72)は「コロナ禍で出荷量が減っている中で、さらに処理水が海に流されれば風評被害が重なる。たまったものではない」と放出に反対する。

 処理水には除去が難しい放射性物質トリチウムが含まれるため、海産物の生育に影響がないのか不安も大きい。「手間ひまかけて育てたものが売れず、捨てざるをえなくなることがどれだけ悲しいか」と嘆いた。

 沿岸北部の洋野町にある種市南漁業協同組合の職員、馬場等さん(53)も「『安全』と言われても何が起こるか分からない」と危惧する。

 漁協では今も、水揚げされる水産物の放射性物質を検査しており、費用がかさむ。「原発事故から10年経っても検査をしないと消費者に安心して買ってもらえない。なのに処理水を海に流せばどうなるのか」と不安を募らせる。

 沿岸部の魚やタコ、カキを扱う居酒屋「いわて三陸水産組合」(盛岡市)では、地球温暖化の影響か漁獲が減った魚が増え、仕入れ値が上がっていたところに、コロナ禍で売り上げが半減した。

 田中裕一店長(41)は「店にとってさらにマイナスになる。処理水を流すなら、三陸産の海産物が安全であると国が証明してほしい」と力を込める。

 県漁業協同組合連合会(盛岡…

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