ベイスターズ ニューノーマルの応援、定着なるか

井上翔太
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 活字にすると、「タンタン、タタン、タタタタン、タタン」。横浜DeNAベイスターズの本拠、横浜スタジアムでの試合前やイニングの合間、攻撃中などにファンが10度、両手をたたく。この「YOKOHAMA CLAP」と呼ばれる応援スタイルが、今季から採り入れられた。コロナ禍での「ニューノーマル」として、定着なるか。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が約3カ月遅れた昨季は、選手だけでなく、応援団も大きな影響を受けた。無観客で始まり、7月に人数制限付きで入場できるようになっても、トランペットやホイッスルを使った応援は「飛沫(ひまつ)感染のリスクがある」として、できなくなった。観客もマスク着用が求められ、大きな声を出せない。

 「何がよくて、何が悪いのか。昨年は決められたルールの中で、手探り状態だった」と、球団ビジネス統括本部の浦田晃仁さんは振り返る。昨年7月24日からは応援団に別会場で演奏してもらい、スピーカーを使ってスタジアム内に流し始めた。七回裏の攻撃前にジェット風船が飛ばせないならと、事前に一部のファンへクラッカーを配り、タイミングを合わせて鳴らしてもらったこともある。

 ただ、物足りなさが募った。「やっぱりファンは一体感を求めているのではないか」。今年に入り、応援団と「声を出さなくても、盛り上がる方法」を相談した。1月末にはファンも参加して、オンラインシステムを使った会議を開催。「手拍子をしたい」という声が上がり、採用された。リズムは「1度聞いただけで分かるように」と、できるだけシンプルにした。

 拍手と手拍子では、手をたたくという同じ動作でも、性格が違う。好守が出たときなどに送られる拍手は、「自然発生的なもの」。一方で手拍子は「応援歌に近い」。今の横浜スタジアムでは歓声を上げられない代わりに、色んな種類の「パチパチ」が聞ける。

 始まったばかりのYOKOHAMA CLAPは、知名度向上を図っている最中だ。「大きな声を出せたり、タオルを振り回せたり、これまで通りの応援ができるようになっても、定着していてほしい」と浦田さん。コロナ禍で一時的に失われているものを取り戻すだけでなく、そこに付加価値をつけて再出発する。新しい挑戦をためらわない球団らしい取り組みだなと記者は感じた。井上翔太