米軍、9・11までにアフガンから撤退 和平はなお遠く

バンコク=乗京真知、ワシントン=高野遼
[PR]

 バイデン米大統領がアフガニスタンに駐留している米軍を9月11日までに完全撤退させることを決めた。米政府高官が13日、明らかにした。当初の撤退予定より約4カ月延びたが、実現すれば米国は19年以上続く紛争から撤収することになる。ただ、反政府勢力タリバーンによるアフガン政府軍への攻撃が続いており、和平実現の見通しは立っていない。

 米政府高官は記者団に、「バイデン氏は綿密に政策を検証した末、アフガニスタンに残る部隊を撤収し、戦争を終わらせると決めた。撤退を秩序立てて進め、9月11日の(同時多発テロから)20周年までに、すべての米軍をアフガニスタンから撤退させる計画だ」と語った。14日にもバイデン氏が公式に発表し、関係国にも意向を伝える方針だという。

 9月11日は、米国がアフガニスタンに軍事攻撃するきっかけとなった2001年の同時多発テロから20周年にあたり、撤退実現を強く印象付ける節目になる。

 撤退時期を巡っては、トランプ前政権が昨年2月に反政府勢力タリバーンと合意を結び、今年5月1日までの完全撤退を約束した。合意後、タリバーンは駐留米軍への攻撃こそ止めたが、アフガン政府軍への攻撃は続行。治安混迷を懸念したバイデン氏が、残る約2500人の駐留米軍の撤退延期を検討していた。

 一方、タリバーンバイデン氏の判断に先立ち、撤退延期は「合意違反になる」と反発。3月26日付の声明で「(米国は)責任を問われることになる」と警告し、駐留米軍への攻撃再開を示唆していた。

 また、撤退が5月から9月に延びても、現地の治安が回復する見込みは薄い。むしろ米軍の撤退でタリバーンが勢いづき、アフガン政府軍が劣勢に立たされる事態が現実味を帯びる。

 それを避けるには、米国がタリバーンとアフガン政府の仲を取り持ち、停戦を実現させられるかが焦点となる。今月24日にはアフガニスタンの和平に向けた国際会合がトルコで予定されている。それまでに米国は、タリバーン人脈を持つパキスタンなどを介して、タリバーン執行部の懐柔を図るものとみられる。(バンコク=乗京真知、ワシントン=高野遼)