イラン、ウラン濃縮度60%製造へ 米の制裁解除狙いか

テヘラン=飯島健太
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 イランのアラグチ外務次官は13日、イランが濃縮度60%のウランを製造すると明らかにした。イランは核合意で決められた濃縮度の上限(3・67%)を大幅に上回る20%のウランをすでに製造しているが、兵器級となる90%にさらに近づくことになる。核合意の履行をめぐって米国との駆け引きが続く中で、米国に制裁解除を迫る思惑があるとみられる。

 アラグチ外務次官は訪問先のウィーンで、11日に中部ナタンズの核関連施設が外部から攻撃されたことを受けて、14日に濃縮度60%のウラン製造を始めると話した。イランは「テロ攻撃」と非難し、核合意の履行再開に反対するイスラエルの関与を指摘していた。イラン原子力庁は13日夜、「医療用に使う」と製造の意図を説明した。

 イランは2019年以降、米国のトランプ政権が核合意から離脱して制裁を再開させたことに反発し、核合意の約束を逸脱する核開発を進めてきた。今年1月に濃縮度20%のウラン製造に着手し、2月には国際原子力機関(IAEA)による査察の受け入れを制限した。

 6日には米国の離脱以降初めて、米国・イラン両国が欧州連合(EU)を仲介役に核合意履行をめぐる間接協議を開催。14日に米国とイランによる3回目の間接協議が予定されていたが、参加メンバーの中に新型コロナウイルス感染が確認され、15日に延期された。(テヘラン=飯島健太