東芝社長の辞任、引き金は買収提案? 背景に二つの理由
小出大貴
東芝が、英国系の投資ファンドから買収提案を受けたと明らかにしてから1週間。経営再建を担ってきた車谷暢昭社長が、辞意を表明した。「再建に一段落つけた」というのが表向きの理由のようだが、立て続けの異例の事態が、さまざまな臆測を呼んでいる。トップの交代は、買収の行方にも影響しそうだ。
辞任の方向性が明らかになったのは13日の深夜だ。翌14日午前6時、車谷氏は、自宅前に集まった報道陣の呼びかけには一切応じず、迎えの社用車に乗り込んだ。
英国系投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズによる買収提案を受けたことが判明した翌7日朝、自宅前で足を止めて報道陣の問いかけに答えていた姿とは様子が違って見えた。
買収提案が辞任のきっかけ?背景に「古巣」と「不満」
関係者によると、車谷氏は辞任の理由について「任された東芝の再生をやり遂げたため」などと周囲に話している。今年1月、東京証券取引所1部に3年半ぶりに復帰したことも強調した。前もって計画していた辞任、との説明だという。
しかし、買収提案に揺れるさなかでの、突然の辞任という印象はぬぐえない。
14日の臨時取締役会では…