民主主義は呪われているか コロナ失策が問いかける

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 コロナ禍による打撃は、世論に耳を傾ける民主主義的な国ほど大きくなる傾向があるのではないか。民主主義は呪われた制度なのか――。そう問いかける文章を、半熟仮想株式会社代表でイエール大学助教授の成田悠輔さんが朝日新聞に寄稿した。

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 民主主義は奇怪な制度である。誰が、人の生活どころか生命さえ左右する致命的な決断を、どこの馬の骨ともしれない街頭の一般人アンケートに委ねようと思うだろう? 実際、つい最近まで民主主義は眉唾(まゆつば)だった。アリストテレスが紀元前に書いた「政治学」も言っている。「過激な民主制からも(…)独裁制は生じる」

 立憲民主運動が葬った封建領主や貴族の横暴はひどかった。けれど、民主主義が可能にするマスの横暴がそれよりマシだと信じる理由は実は薄い。マスのふところに飛び込むことが政治の標準規格となったのはここ200年余り、若く特異な現象だ。

 しかし、ここに来て民主主義への疑問が再燃している。格差と憎悪の拡大、SNSによる情報汚染、ポピュリズムの台頭――だいぶ前から危機にさらされてきた民主主義に、とどめの一撃が加わった。コロナ禍だ。

なりた・ゆうすけ 専門はデータと数学を用いた政策やビジネスのデザイン。東大卒、MIT博士。関連インタビューに「選挙も政治家も、本当に必要ですか」(2020年10月22日付、朝日新聞GLOBE+)

 「民主主義にウイルスが襲い…

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